8th Kyoto Mount Chop!

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やってまいりました。秋のKyoto Mount Chopの季節が。
3月の比叡山を走る春大会に続いて、北山を走る秋大会です。

何と言っても、はじめて表彰をしてもらえた思い出の大会です。
そして、3月の大会がきっかけで、たくさんのトレラン仲間と知り合いになれました。
主催者の丸山さんは子どもの小学校も同じで、運動会で顔を合わせたりするくらいのご近所さんです。
そんなMount Chop、もちろん秋も出たい!

出たい!、のですが、エントリー受付の9月1日の時点では、骨折でまだ走ることもできませんでした。
11月にちゃんと45kmも走れる身体になっているのかが分かりません。
熾烈なクリック合戦を勝ち抜いてエントリーしておいて、当日キャンセルするのも、エントリーできなかった人に申し訳ない。
どうしたら良いんだ!

しばらく悩んでいたのですが、ある時、「そうだ、マイルドコースにエントリーしよう!」というアイデアを思いつきました。
45kmほどのワイルドコースに対して、マイルドコースは15kmほど。
療養期間が長引いたとしても、さすがに11月になれば15kmくらいは走れるだろう。
そうすればドタキャンで迷惑かけることもないし、これは良いアイデアだ!と思ってマイルドにエントリーしました。
・・・と、この時は良いアイデアだと思ったのですが、結果的には、それはそれで別の迷惑をかけたかも知れません。(その内容はのちほど。。)

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今回は二宮さんもエントリー。
二宮さんはもちろんワイルドです。
チョーップ!

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スタート時間が近づくと、丸山さんたち運営スタッフさんが登場。

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ローカルの草レースとはいえ、たくさん集まってなかなか賑やかです。

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選手宣誓から恒例の寸劇(?)が始まります。
今回は、丹羽薫さんが呼び出されて前へ。

「ねえちゃん、上から下までサロモンで決めて、初心者やろ。コースロストとかしたらあかんで。」
とかいじられていて、すごかったです。
(最後は、「あなたが世界の丹羽薫さんですか!」みたいなオチがついてましたがw)

そして、いつものように(?)、寸劇をやっている間にスタート予定時刻を過ぎてしまい、
10分遅れでスタートしました。
(相変わらず良い感じでゆるいですw)

スタート後も、3回ほど信号で止まり、そのたびにばらけかけた集団がまた1つに。
信号のたびにレースが振り出しに戻る大会も珍しいですよねw

そんな感じで3kmほどロードを走り、ようやく向山に向かうトレイルに入りました。

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(写真:最勝寺進さん)

前回の優勝者、岡見さんは、今回はトリオで出場されていました。
その岡見さんたちのチームが、スタート直後から先頭を引っ張ります。
最初は何人か一緒に走っていたのですが、トレイルに入ってしばらくすると、岡見さんたち3人と、僕だけになりました。

向山の登りで一度僕が先頭に出たりもしましたが、下りが足をかばいつつだったのですぐに追いつかれ、
ふたたび3人の後ろに。

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ゆるい上りは走り、きつい上りもかなりのペースで歩き、下りはどんどん走ります。
ついていくのがやっとでした。
僕は15kmしか走りませんが、3人は47kmの道のり。
こんなペースで47km行けるなんてすごいです。
ずっとこれくらいの速さで走れるようになりたいものです。

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ほいっ、ほいっ、ほいっ。
遅れないように、ついていきますよー。

そして、二ノ瀬ユリの分岐まで来ると、マイルドコースは折り返しでお別れです。

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みなさん、長い道のり、がんばってくださーい!
(はーい、とお返事)

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(ここまで写真:最勝寺進さん)

さて、ここからは僕一人です。
ゴールに向けて、行ってきます〜。

身体の方はというと、概ね軽快に走れているのですが、
下りで左膝に少し痛みを感じます。

それから、この数週間、左足の薬指と中指の間の付け根辺りが痛むのですが、
どうやらモートン病というらしく、
どうしてこうも、次から次へといろいろな場所が痛くなるのかなと思うのですが、
そこもちょっと痛みます。

というわけで、下りはあまり無理をせず、ゴールに向かいました。

二ノ瀬ユリを下り、再び夜泣峠への登り。
夜泣峠と向山を登り返せば、上りは終わりです。

しっかり出し切ろう、となるべくペースを落とさないように登って行くと、
大きな木にテープが巻いてあり、よく見ると、
「カタツムリの渦巻きは、右巻きと左巻き、どちらが多いでしょう?」
というクイズが書いてあります。

え?
どっち?

これはなんだろうか、低気圧の雲が北半球は反時計回りになって、南半球は時計回りになるみたいに、
北半球と南半球で分かれたりするのかな?

どうなんだ!どっちなんだ!と気になるものの、その後答えは一向に示されません!
がー、気になるー!

なんという残酷な応援なんでしょうかw

結局コース上では、答えは与えられませんでした。(僕が見た限り)
そこで、今調べました。調べましたよ!

カタツムリには右巻き(右旋:dextral)と左巻き(左旋:sinistral)があり、上から見て、渦の中心からどちら回りに殻が成長するかで決められる。実際に区別をするには、殻頂を上にして殻の口を自分の方に向けたとき、殻の口が右にあれば右巻き、左にあれば左巻きとするのが簡単である。日本産のものでは種ごとに巻きの方向が遺伝的に決まっており、大部分の種は右巻きであるが、ヒダリマキマイマイなど少数の左巻き種がおり、キセルガイ科のように科全体が左巻きのものもいる。
巻きの方向を決めるのは一つの遺伝子によるとされ、この遺伝子が欠如もしくは機能しない場合、その種本来の巻き方向とは逆に巻いた逆旋回個体となるという。実際に逆旋個体が発見されることもあるが、きわめて稀な例である。通常、逆旋個体は体の構造も逆で、交尾孔も右旋個体は右側、左旋個体は左側に開く。多くのカタツムリでは対面しながらすれ違う位置で交尾孔のある側を相互に合わせるため、巻き方が逆であると交尾が困難となり種分化がおこる場合もあると考えられている。外国にはポリネシアマイマイやマレーマイマイのように同一種内で右巻きと左巻きの両方が普通に出現する種類もある。このような両旋型の種の交尾は、他方の殻の上にもう一方の個体が乗るマウンティング形式であるため巻き方の違う個体同士でも交尾が可能であるという。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%83%84%E3%83%A0%E3%83%AA

ほほー。ほとんど右巻きなのに、稀に左巻きの種がいると。
種ごとに分かれているんですね。へえー。

ということで、ようやく疑問が解決しました。ほっ。

この難問クイズ、身体の疲れも一瞬忘れ、考え事ができましたので、ある意味効果的な応援だったかも知れません。

(後日談:クイズを書いた中村さんがこのブログを読み、「答えは夜泣峠を越えて一つ目の左の木に書きましたよ!」と教えてくださりました。なんと!見落としていたんですね。。失礼しました!)

そんなこんなで、夜泣峠に辿り着きました。
僕が夜泣峠を越えて向山に向けて入ったところで、向かい側からスイーパーの方々と、最後尾のランナーさんがやってきました。
もしかしたら会えるかな?と思っていたのですが、間に合いました!うれしい!

「え、もう戻ってきたんですか?」
と聞かれて、皆さん道を譲ってくださり、なんとハイタッチ。
「がんばってください!」
「お互いがんばりましょう!」
これは嬉しかったです。

ここから向山はすぐ。
頂上を越えればあとは下るだけです。

トレイルを下りきり、最後はロード3km。
まだ力も残っていますので、ちゃんと出し切ろう、と、キロ4分20秒ほどのペースで走りました。

ゴールに着くと、スタッフの方が何か他の作業をされていました。
「すみませんー、帰ってきました〜」
と声をかけると、
「あ!もう帰ってきたんですか!」
と言われ、慌ててタイムを記録。
「すみません、もう一度走ってきてください」
となり、写真撮影のためにゴールシーンのやり直しw

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ゴールテープを貼ってもらい、改めて今度はちゃんとゴールテープを切ってゴール!
タイムは1時間48分でした。

飲み物とお菓子を頂き、服を着替え、後続の方々のゴールを待ちます。
…が、30分ほど経っても姿が見えません。
結局、33分差で、女性の方が2位でゴールされました。

はい、要するに、このクラスは、そういう設定のクラスだったのです。
大会概要にも、ちゃんと

マイルドコース
トレイルランニング未経験者、初級向けお試しレース

http://kyotomountchop.skr.jp/syumoku/

って書いてありました。
ということで、かなり空気を読まない感じになってしまいました。(すみませんすみません。。)

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夜は恒例の打ち上げ。
いつものごとく、大盛り上がりです。

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「京都、マウント、チョーーーーップ!」
ということで、秋の大人の大運動会、という様相を呈したKyoto Mount Chop。
今回も楽しませて頂きました。ありがとうございました!

志賀高原エクストリームトレイルで、久しぶりの完走!

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志賀高原で行われた志賀高原エクストリームトレイル60K(実際はコース変更で54km)、久しぶりに完走できました!

7月の美ヶ原で足を疲労骨折してリタイアしてしまい、今年の夏はほとんど走れませんでした。
最後に完走したトレラン大会は5月末の比叡山。もう5ヶ月も完走から遠ざかっています。
その前も、シンスプリントだとかいろいろで足を痛めて、ケガに泣かされた2016年シーズンでした。
(要するにいきなり激しく走りすぎたんだと思います)

その後、9月中旬ころから、少しずつ走れるようになりました。
短いトレランを何度か繰り返し、北アルプスにも行き、そして今回が、トレラン大会の復帰戦になりました。

まだまだ走り込みは足りず、体力も十分には戻っていませんが、
足の痛みは感じなくなってきています。

大槻先生からも、「ゆっくりなら出ても良いよ」と言われました。
ゆっくりでも良いのでゴールまで辿り着きたい、と挑んだ志賀高原です。

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コースマップ|志賀高原エクストリームトレイル

コースは志賀高原をぐるっと巡る54km。
途中崩落箇所があって、コース変更で6kmほど短くなりました。
昨年はもっと激しいコースの大会でしたが、車がたどり着けない山道が長すぎて危険だ、ということで、走りやすいコースに様変わりしたそうです。

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HISTORY | ツール・ド・信州
志賀高原と言えば、美ヶ原と並んで、サイクリングやツール・ド・信州で何度も訪れた場所。
(ちなみに、ツール・ド・信州的な視点で選ぶ「信州三大高原」は、美ヶ原、志賀高原乗鞍岳の3つです!そのうち、トレラン大会で訪れるのは2箇所目!)

日本国道最高所の渋峠や、奥志賀スーパー林道は、何度となく通っています。
ところどころ美しい池が見えたり、きれいな稜線が高原を囲んでいるのは分かっていたのですが、
自転車で訪れた時は道路を疾走するだけ。

いつか、池の周りの散策路や、周りの山々の中に行ってみたい、と思っていました。
そんなこともあって、今回は、「行きたい山に行く」という視点で選んだ大会です。
申し込んだ時はまだ、骨折していませんでした。

そうしたら、今回の大会について、8月頃に大会の事務局からfacebookでお知らせがありました。
「UTMBのポイントはつかないことになったので、ポイントが目的で申し込んだ人はキャンセルを受け付けます。」
とのこと。

ポイントが目的?いやあ、そういうわけでは無いんですが。。
ただ、骨折が判明し、いつになったら復活できるかも分からなかったので、出られるかどうかは微妙な状況でした。

そこで、
「骨折したのでキャンセルできますか?」
と問い合わせてみました。

すると、
「キャンセルを受け付けるのはポイントが目的だった方だけです。ただ、その期間はもう終わりました。」
という回答が。
なんだか格好良いというか、面白いというか、踏み絵みたいですよねw

結局問い合わせるのが遅かったので、どっちみちキャンセルはできなかったのですが、
もし間に合っていたら、「僕の目的はポイントでした!」と言ってキャンセルしてもらったんだろうか、とふと考えちゃいましたw。

いやあ、そんなこと、言えないですよね。プライドが許しませんw
ポイントのために大会に出る、なんて、そんなのダメ、絶対!(なんだ)

というような出来事もありつつ、大会が近づいてきたわけですが、
近づいてくると、幸いにも足の調子が回復してきました。
痛みも出ないようになり、「これなら行ける」と、出場を決めたわけです。(キャンセルできなくて良かったー!)

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ということで、今回も前置きが長くなりましたが、
朝5時にスタート。気温は0℃か、そのちょっと下。
霜が降りてます。

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とにかく寒いので気をつけて、と事前に情報をもらっていたので、
下はタイツ、上も長袖Tシャツにウィンドブレーカー、とかなり暖かい格好にしました。
(が、これはのちほど裏目に。。)

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スタート地点に並んでみると、あれ、これだけ?というほどしか人数がいません。
なんと、ロングに出場するのは200人、ということで、最近出た中でも、かなり少人数のレースでした。
会場の雰囲気に一体感があります。

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スタート直後から、横手山に向かってゲレンデをひたすら登ります。
ゲレンデスタートは、渋滞しないのが良いですよね。

ただ、スキー場はスキーのための場所であって、走るためには作られていませんw
だいたいのスキー場は、登るにも下るにも、傾斜がきつすぎます!

最初はまだ良かったんですが、横手山ドライブインの手前で激坂が出現!
まるで壁みたいな坂を登りました。
どんだけー。

ここで、前方にいた女子トップの丹羽薫選手に追いつきました。
多分今日このあと会えることは無いので(笑)、「ここしかない!」とご挨拶。

「足はもう大丈夫なんですか?」と、レース中にも関わらず気遣って頂いて、嬉しかったです。
そして本当に、このあとゴールまで一度も会えることはありませんでした(笑)

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ドライブインで一度車道に出ると、そこからトレイルに入って横手山山頂を目指します。
頂上はすぐ上に見えていたのですが、思ったよりは長い道のり。

途中、右側が笹で覆われていて、下は地面が無い場所があり、そこを踏み抜いて「ずぽっ!」と落ちてしまいました。
タイツが2箇所ほど破れて穴が空きました。

後ろから来たランナーさんが、「何も音を立てずに、静かに落ちましたねw」と言われました。
確かに、ひとり静かに、落ちました。ずぽっ。

足は擦り傷程度だったので、すぐに走り始めました。
こうやって、トレランウェアは、どんどんボロボロになっていくんです。
(ウェアさん、縫ってくれる方、ごめんなさい)

横手山山頂に着くと、空が明るくなってきました。
ヘッドライトはしまって、ウィンドブレーカーも脱ぎました。
・・・が、暑い!

めちゃくちゃ寒い、と聞いていたのですが、風もなく、十分な温かさ。
いざ走ってみると、長袖が暑いし、タイツもうっとうしくなってきました。

しかし、タイツなんて、脱ごうにも、そう簡単には脱げないし、
シャツも半袖に変えるには、ゼッケンを付け替えなくちゃいけません。
そんな簡単にできることじゃないので、ひとまずそのままの格好で走り続けます。

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横手山からゲレンデをしばらく下りると、そこから稜線のトレイルに入ります。
今回のコースでは、ここからの区間が一番山っぽいトレイルでした。
個人的には一番良かったです。

細かいアップダウンを繰り返しながら、稜線を進んでいきます。
右には群馬県の山並み、左には、眼下に大沼池と志賀高原、さらに向こうには中野市街と、はるか向こうには妙高山まで見えます。

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赤石山の頂上に差し掛かると、見事な絶景。
このコース一番の絶景ポイントで、中川さんがスタッフをやってくださっていました。
(なんだか、希望が丘の時もそうでしたが、いつも一番景色の良い場所にいらっしゃる気がしますw)

「めちゃくちゃ景色がいいですねー」
「今日は最高ですねー」

と、選手もスタッフの方もテンションが上がります。
天気は快晴です。

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そこからさらに稜線を進んで、寺小屋峰を目指します。
夢中でトレイルを進んでいると、ふと、随分長い時間、誰にも会っていないことに気が付きました。

前にも後ろにも、人の気配がありません。
「あれ、もしかしてコース間違えたかな?」
と、ふと心配になり、iPhoneで地図を確認しました。

が、道は合っていました。(ほっ)

ということは、本当に、前にも後ろにも人がいない、ということですねw
さすが200人の大会です。

もっとたくさん選手がいる大会だと、こんな序盤で誰にも会わない、ということはまず考えられません。

が、なんだかそれが、うれしいなあ、と思いました。

周りにたくさん人がいると、ついつい人を気にしてしまいます。
抜いたり、抜かれたり、前にペースを合わせたり、後ろに気を遣ったり。。

ですが、人が少ないと、純粋に自分の走りに集中できますし、
周りの人にもやさしくなれる気がします。

実際今回は、
「めっちゃ景色いいですねー」と話したり、
「何か落としましたよー」と声をかけたり、
「道間違っていますよー」と呼び戻したり、
そんな選手同士で声を掛け合うシーンが何度もありました。

こういうの、良いですよね。
確かに「レース」なんですが、その前にここは「山」ですし、僕たちは「人間」ですから。
なんか、まともな感じがしました。

もしかしたら、ポイントが付かなくなったことで、「純粋に山を走りたい」、という人の割合が増えたのかも知れません。
だとしたら、やっぱり来て良かったな、と思いました。

景色も良いし、周りの選手の雰囲気も良いし、スタッフの方も楽しいし、
ご機嫌に進んでいきました。

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寺小屋峰を過ぎると、ゲレンデの下りが始まります。
ここからは、一の瀬まで、一気に標高差500mほどくだります。
しかもそのほとんどはゲレンデ。
出た!走るために作られたわけではないゲレンデ!

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だだっ広く整備されていますので、障害物もなく、
まっすぐ駆け下りることが出来るんですが、
傾斜がきつい。

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しばらく勢い良く下っていたら、左膝が痛くなってきました。
これはまずい。

骨折したのは右膝ですので、それが痛んでいるわけではありませんが、
今回は足をかばいながらゆっくり走って完走を目指そう、というコンセプトで参加している大会。
こんな序盤ですでに膝が痛いのは、まずいです。

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ひとまずペースを緩めて、ストックをつきながら慎重に下ります。
ここで、後ろから5人ほどパスしていきました。

ゆっくり下っているのですが、痛みはどんどんひどくなります。
「あちゃー、やっちゃったかなあ。。。」
と、ここまでの走り方も含めて反省し始めました。

「この時点でこんなに痛いとなると、この先難しいかもしれないな。
大きなケガにならないうちに、リタイアした方が良いかも」

次第にそんな考えが浮かびつつ、そろそろと一の瀬に辿り着きました。

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(写真:和地秀樹さん)

下りきると、よく知っている顔が。
丹羽(薫)さんをサポートされている丹羽(のり)さんと、スタッフの和地さんがいて、
「近藤さん!早いですよ!2,30位くらいですよ!」
とのこと。
えー?

トレイルを夢中で進んでいる間に、そんな上の方に来ていたみたいです。
十分ゆっくり入ったつもりでしたが、それでも少し最初早かったかな。

でももう、あんまりスピードは出せなさそうです。
とりあえず膝が痛いです。

ここは、「第1エイドに行っても行かなくても良い」という微妙なポイントw
第1エイドに行くには、400mほど余分に走らなくてはいけないのですが、必要のない人は止まらずに進んでも良い、というルールになっています。

なんかゆるくて良いですよねw

第1エイドは18km地点、次のエイドは13km先の31km地点。
水も食料も持っているので、補給は大丈夫なんですが、31km止まらずに走り続けるのも結構大変、という微妙な距離。

ということで、エイドには行きませんが、ここで「簡易エイドストップ」して少し休みつつ、情報を聞くことに。
丹羽さんと和地さんに、いろいろ教えてもらいつつ、立ち止まってストレッチをしました。

女子トップを独走する丹羽薫さんは15分前くらいに通過されたとのこと。
この先は平坦からゆるい下りなので、膝にはそれほど負荷はかからないだろう、とのことでした。
のんびりしていたら、「近藤さん、余裕ですね」と言われてしまいました(笑)。

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実際にここからは、平坦からゆるい下りの走りやすい道。
しかも、周りは見事な紅葉です。

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美しい紅葉の中の、快走区間!のはずなんですが、膝にまだ痛みがあります。
さらに、山を歩く練習はしてきましたが、走る練習はほとんどして来なかったため、全然スピードが上がりません。
キロ8-9分くらいのゆっくりとしたペースで、何人もの方にパスされつつ、10kmほどのゆるい下りを進みます。

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うーん、紅葉がきれいだよー。足が痛いよー。

トレイルを下りきると、次は舗装路の登り返し。
ある意味一番きつい区間です。(精神的に)
走ろうと思えば走れなくもない、という微妙な上り傾斜。
ちょこちょこ走ったり、歩いたり、を繰り返しながら進みました。

気持ち的には、あまり面白くない区間でしたが、
ふと気づくと、膝の痛みを感じなくなっていました。
ゆるい下りを慎重に下り、登りに転じて膝の負荷が減ったからなのか、
少なくとも登っている分には、痛みが引いています。

「次のエイドでリタイアかも」とまで考えていたものの、
この調子ならまだ先に進めそうです。
無理しなくてよかった。。

3,4km道路を進んで、ようやく第2エイドの奥志賀に到着。
第2エイドですが、最初のエイドです。31km地点です。
最初のエイドがこんなに遠かったの、はじめてですw。

ひとまず、ずっと暑いのを我慢していたので着替えます。
半袖短パンになって、随分涼しくなりました。

コーラにバナナ、おまんじゅうなど、一通り頂いて、再スタート。
人数も少ないし、エイドも少ないと、しっかり滞在してしまいます。

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そしてここからは、焼額山の登り。
行ってきます!
今回2つ目の大きな登りです。

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サポートありがとうございます!
行ってきます!
(と言いながら、ゆっくり歩いているので、なかなか視界から消えられない僕。。)

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焼額山の上り道は、なんとずっと林道。
まだ舗装路よりは良いですが、単調で、ずっと我慢、という感じの登りでした。

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随分登ってきました。

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作業の方々が寝転んで休憩されてました。

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最後の方は、随分急な傾斜に。
思わず蛇行している方もいらっしゃいました。

ちなみにトップ選手は、ここを走って登るそう。
女子トップの丹羽さんも、「試走の時は走って登ったけど、今日は少し歩いちゃった」と言っていました。
ちょっと信じられない気持ちでした。

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そんな登りを経て、ようやく焼額山に登頂。
頂上は稚児池という池になっていて、高層湿原のような場所です。
これはまた、独特の雰囲気がありますね。

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焼額山の下りに入ると、またゲレンデです。
やっぱり急斜面。
まあ、一大スキーリゾートですもんね、志賀高原
やっぱり膝に微妙な違和感。
慎重に下ります。
でも、最初の時ほどの痛みではありません。
これならまだ先に行けそうです。

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少し下ると、トレイルに入ります。
ここの紅葉が一番きれいでした。
こんなところ走れるなんて、最高です!

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(写真:和地秀樹さん)

下りきって、一ノ瀬の第3エイドに到着!
ここで、ミドル40kmコースの方々と合流します。
ちょうどミドルの方もたくさんいて、ちょっと賑やかになってきました。
後半賑やかになるのはなんだかうれしいですね。

プロデューサーの山田琢也さんも、ここに立っていらっしゃいました。
今回は、finetrackの山田琢也モデルのパンツを前日の受付で購入し、履いて走ってます。めちゃくちゃ軽いです。
気持ちは(ちょっとだけ)山田琢也ですw

第3エイドを過ぎれば、ゴールまであと14km。
14kmと言ったら、もう、普段の平日に大文字でちょっと遠出する時に走るくらいの距離です。
一時はリタイアも考えましたが、いよいよ完走が見えてきたか。

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ここからが、今回コース変更になった区間で、本当は発哺温泉からぐるっと廻るルートだったのですが、
一気に谷に降りて、蓮池に登り返すコースになりました

トラバース気味のトレイルを抜けると、またゲレンデの下り。
またかー、という感じですが、長い下りももう最後なので、少しテンポよく下ってみます。
ここも紅葉がきれいでした。

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蓮池に登り返すと、最終第4エイド。
コース変更の影響で、この区間は短かったです。
少し休憩して、いよいよ最後の区間へ。
残り9km!

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序盤から何度もご一緒してきた、滝下さんと記念撮影。
前になったり後ろになったりしながら、今回一番たくさん一緒に走らせて頂きました。

UTMBと一緒に開催されているTDSに、4年も連続で出場されているとのこと。すごい。
格好も全身決まっていて、最初ヨーロッパの方が参加されているのかと思いましたw

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琵琶池の周りも見事に紅葉していました。
紅葉を見に散策に来られている老夫婦の方から、
「何キロ走ってるの?」
と聞かれて、コースを説明すると驚かれていました。
温かい目で応戦して頂いて感謝です。

琵琶池を一周すると、ここからゴールまではダラダラとしたゆるい上り。
いよいよ最後の区間。これを超えればゴールです。

颯爽と走り抜けたいところですが、もうすっかり足が疲れてしまい、
走ることができません。

淡々と、ペースを落とさないように歩いて登り続けました。
歩いているだけでも、足に疲労感を感じます。

これまで完走した一番長い大会は、比叡山の50km。
それを越える距離で、しかも練習不足。
やはり、最後は足に来ました。

一緒に歩いていた滝下さんは、最後に走ってペースアップし、前の方へ行っちゃいました。
なかなか動かない足を、ほい、ほい、ほい、とリズムに乗せて運びつつ、ゴールへ。

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8時間56分でゴール!順位は200人中50位でした。

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やったー、完走です!
うれしい!!

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5ヶ月ぶりの完走。
あー、長かったですね、ここまで来るの。

あまり無理をせず、堅実に進められて良かったです。

久しぶりのトレラン大会に出てみて、自分の大会へのスタンスが変化していることに気が付きました。
何かがこれまでと違いました。

怪我をする前は、もっと順位のことを気にしていたと思います。
いろいろあって、そういうのがちょっと抜けてきたかな。
そのおかげで、周りを走っている方とも交流できました。
山も楽しめました。
ゴールの時に、気持ちよくゴールできました。
なんか、こういう感じ、良いな、と思いました。

大切にしていきたいです。

今回は、北信濃トレイルフリークス(KTF)さん運営の大会に、はじめて参加させて頂きましたが、
山が好きな方々が、良い大会を作ろう、と運営されているように感じ、気持ちが良かったです。
また出たいな、と思いました。
ありがとうございました。