大文字の裏を朝からぐるぐると走ってきた

大文字の裏を朝からぐるぐると走ってきた。

近場の京都一周トレイルも、だいたい走ってみたし、あとはもうちょっと遠出をしないといけない区間になった。
ちょっと足を伸ばして京都一周トレイルを走破したいという願望もあるけど、日常的なトレーニングのことを考えると、近所のトレイルをもっと徹底的に開拓しておく方が、より有効だ。
というわけで、東山トレイルを走っていると各所に分岐があって、「この道を曲がるといったいどこに行くのだろう?」と常々思っていた道を、一度走り回ってみよう!と思い立った。
走るコースを決めるにあたっては、京都一周トレイルの地図も見たけど、それ以外にStravaのGlobal Heatmapを活用した。これは、Stravaユーザーが実際に走ったコースが、ヒートマップで表示される機能だ。
http://labs.strava.com/heatmap/
実際によく見てみると、地図には載っていないコースを走っている人がいたり、地図とは微妙に違うコースを通っている人が実際は多い区間が見つかったりと、かなり興味深い。
このヒートマップを見ながら、大文字の裏の山科区のエリアで、走って通り抜けられそうなトレイルを探し、それをぐるぐると周回するコースでつないでみた。
Stravaで作成したコースデータをGPXファイルでダウンロードし、Garminに入れて表示させていざスタート。

南禅寺までママチャリで行き、そこからいよいよトレランスタート。
そうそう、最近少し膝と足首に違和感があって、長い距離を走ると痛くなる。
あまり無理をすると悪化させてレース出場も危ぶまれると思って、先週くらいから少し練習を減らしている。
8月の中旬頃からいきなり走り始めたせいで、多分膝や足首がびっくりしてしまったのだと思う。うまく慣らしながら走りたいものだけど、そうは言っても11月には朽木のトレラン大会があるので、まあうまく付き合いながらやっていきたい。

と、そんな状況なので、トレイルに入るのは一週間ぶり。
二宮さんから譲ってもらったアルトラのシューズも、長い距離を走って感触をさらに確かめたかったし、そろそろ膝も大丈夫かな、と思いつつ、トレイルに入った。
膝については、なるべく保護したほうが良いと思って、今日はサポートタイツを履いて走った。これも夏の間は暑くてとてもじゃないけど履く気にならなかったけど、最近涼しくなってきてようやく使えるようになってきた。涼しいのは本当に有難い。

南禅寺から疎水のレンガ造りの水道橋をくぐって、七福思案処の分岐へ。ここまでの上りは最近あっという間に感じてしまう。
そこから山科へ抜けるルートは初めてのルート。とてもなだらかで柔らかい道。かなり走りやすくて気持ちが良い。
調子に乗って下っていたら、道を間違えてしまった。突然疎水の前に出て、あれ?となってGarminを見ると、左に曲がって上りの道をいかなくてはならなかった。
まあ、真っすぐ行ったらどういう道なのかが分かったからよしとしよう。何といっても今日はルート開拓が目的なのだ。ちなみにこの疎水に抜ける道もとても走りやすい良い道だった。そんなに長くは無かったけど。
それで引き返して、元来た方向から見ると左に曲がって進むと、なんと上りが始まる。しかも結構急な坂。
あれ?こんな場所に上りなんかあったっけ?と思いつつ地図を確認するも、やっぱり合っている。
どうも地図で見落としていたけど、七福思案処を越えてから、もう一度峠を越えるのであった。
この上りが思いの外長くて(と言ってもそんなに大したことはないけど)、結局七福思案処と同じかちょっと高いくらいの標高まで戻して、それから再び下りに転じた。この下りも快走区間。
しばらく走って下りて行くと、登山道が終わって林道に変わる。まだ未舗装だ。その途中に、左側から降りてくる登山道がある。恐らくあとからここに降りてきて合流することになるのだろう。
砂利の林道をしばらく走って下りて行くと、道が舗装道に変わる。それからしばらくして毘沙門堂に着く。
毘沙門堂はなかなか立派なお寺で、そう言えば先日村上春樹さんが村上さんのところで、おすすめをしていた。
それ以来、機会があれば訪れてみたいと思っていたので、ちゃんと一番正面の門まで周り、そこから階段を登って本堂に立ち寄ってみた。

本堂の手前の階段を登ると、門のところでラジオ体操をしている方々と遭遇。ちょうどこの時6時半過ぎだったので、おはようございます、と挨拶を交わしてから本堂に入り、お参りをした。
この辺りで、突然雨が降り始めた。天気予報では今日は午前中は曇で降水確率も0%だった。午後は降水確率が上がるので、雨がふらないうちに、と思って朝走りに来たんだけど、結局降られてしまった。
まあ、これだけ汗をかいていたら、多少濡れても大した違いはないので、あまり気にしないことに。どうせそのうちやむだろう、と思いつつ、そのまま再出発。
ここから毘沙門堂の裏側に周り、林道を登って行く。しばらく行くとお墓があり、ここで林道は行き止まりになる。
このお墓まで行くと実は行き過ぎで、登山道の入口はその少し手前を右に入る形になる。
お墓から引き返して正しい道を見つけ、未舗装の林道っぽい道へ。この道は一応林道っぽいけど、実際は車は通れない、という微妙な立ち位置の道だった。マウンテンバイクとかで下るには調度よいかもしれない。
路面は結構岩でできていて、走って下るとちょっと足に良くなさそうだった。
傾斜は林道っぽい道だけあって、一定の傾斜が続いて歩きやすい。特に展望もないけど、淡々と岩っぽい表面の道を歩いて登って行くと、尾根に出て少し開けた場所に出て、そこから登山道が始まる。ここから稜線の上の気持ちのよい登山道。
小さいアップダウンを繰り返しながら、葉っぱが柔らかく土に変わった地面を踏みしめ、進んでいく。
土と葉っぱのクッションがあり、下りはとても柔らかく足を受け止めてくれる。ここの下りが今日は一番気持ちよかった。
基本的にこの稜線区間は素晴らしかったけど、一つだけ難点が。雨の朝に、マイナーな登山道を走ると、蜘蛛の巣が顔に絡みつくことが分かった。
今日は曇りだしサングラスもかけていなかったので、木と木の間の細い道を進んでいくと何度も顔に蜘蛛の巣が引っかかる。口にも入ったような気がする。あわわわ、と手で振り払いながら、進んだ。
まあ、蜘蛛にとってみても、せっかく虫を捕まえるために蜘蛛の巣を作ったのに、人間が突進してきて壊されたんじゃたまったもんじゃないだろうな、と思うと、お互い様だな、というか、ちょっと申し訳ない気にもなって、とりあえず怪しそうな場所では、手を前にかざして腕で巣を受け止める格好で進んでいった。
稜線に出たので大文字山やすぐだろう、と思っていたものの、なかなか大文字にたどり着かない。この区間は思ったより長く感じた。しかし快適なアップダウンの道で、続いてくれる分には楽しかったのでもちろん良かったのだけど。この区間はまた走りに来ても良いと思う。
そうこうしているとようやく大文字山頂手前の五叉路の分岐に到着。いつも来る場所だ。
一度は山頂を踏んでおこう、と大文字山頂をピストン。京都市内は見えたけど、山科方面はうっすらと雲がかかって見えなかった。
ここからしばらくは、いつもの東山トレイルコースを走る。七福思案処に着く少し手前の、前から気になっていた左山科の分岐を左に曲がり、再び初めて通るルートへ。
こちらも最初はなかなかの快走ルート。クッションも良い。蜘蛛の巣は多い。
しばらく調子よく走っていると、左右に別れる分岐にたどり着く。左に曲がると谷道の林道に出る。真っ直ぐ行くと尾根道の登山道になる。ここはまっすぐ尾根道へ。
この分岐を過ぎると、通る人が減るのか、道を覆う草が増えた。草はたっぷり水を含んでいて、足も靴もすっかり水浸しに。まるで川にでも浸かったか、というくらいに濡れてしまった。まあ良い。
尾根道は次第に傾斜が急になり、一気に山科に向けて下り始める。少し注意しながら下って行くと、最初に「ここから合流することになるだろう」と思っていた場所に出た。
そこからまた同じ林道を下り、今度は毘沙門堂の少し手間で左に入る。こちらもまた林道。入り口に「大文字」と書かれた看板が立っている。
林道は大きめの石が転がる未舗装路。ふう、もう一度大文字にのぼるか、と気を入れなおして歩き始める。
今日は基本的に上り道は歩いている。たまに緩い上り道では小走りすることもあるけど、あまり続けると持たないので、まあ上りは歩いて良い、と自分なりに決めて歩いていた。
この林道は最初の林道と違って幅広くて単調。ふと気付くと随分進んでいた。この間のことはあまり覚えていない。
上りの途中で、うちの人が作ってくれたシリアルバーを食べた。普段一本満足とか、コンビニで買って食べているけど、だったら作ってみるわ、といって手作りしてくれた。こんなものが手作りできるなんて驚きだ。
食べてみると程よい甘さと材料の質感で美味しかった。もそもそ食べていると、少し喉が渇いた。しかし素晴らしい。一本食べるともうお腹が満たされたので、もう一本は残して再び歩いた。
台風か何かで崩れたのか、倒木が重なる区間を乗り越えて、しばらく行くと分岐に出る。右左どちらにいっても大文字に辿り着けるけど、コース的に大きく回れるのは右なので右方向へ。ここから少し急登区間を上り、再び大文字山頂手前の五叉路分岐に到着。ふう、また来ました。2回目の上りは短く感じた。
さて、下りはどの道で行こうかな、と地図で確認しようと思ったら、なんとポケットに地図がない。いつでもすぐに見られるように、ズボンの右ポケットに地図を入れていたんだけど、いつの間にかどこかで落としたみたいだった。うー。また500円で買うしかないか。結局一度も地図を使わず、いざ使いたい、という時になくなってしまった。
ここから再び東山トレイルコースの下り。だいぶこの区間も見慣れてきたな、と思いながら下って行き、途中で右に若王子への分岐がある箇所に到達。このルートでも、南禅寺方面に抜けられることを地図でチェック済みだったので、右に入る。
最初はそこそこ走れたけど、少し行くと段差が急になり、ちょっと走るのが難しくなった。あまり人が通っていない道のようだ。
それでも小走りに足を運んでいるうちに、粘土質の路面の場所でこけてしまった。
地面が濡れてつるつるしているのは分かっていたけど、小刻みのステップでうまく進めるだろうと足を置いたがあまかった。つるん、と右足が左に滑り、そのまま右方向に倒れた。内側に滑ったので、左足で支えることもできず、右手をついてドデーン。
思わず、イター!と叫んでいた。こういう言葉は、無意識に出るもんなんだな。
手とズボンが泥だらけになったので払いつつ、足の様子を確認。右足の付け根の辺りを擦りむいたような感覚があったけど、今日はタイツを履いているので直接肌は見えない。とりあえずタイツを履いてきて良かった。
そういえばここまでの道でも、マイナーなルートが多かったので草が生い茂っていて、足にかなり当たった。そういう区間を走る上でも、タイツは正解だった。良かった良かった。
ちょっと足は痛いけど、走れない程でもないので、再び走り始めた。
しばらくいくと、若王子方面と南禅寺方面の分岐があるので左に曲がる。この辺になると道はなだらかになって走りやすかった。
そこからしばらく行くと、南禅寺の奥の滝の上に出た。あの滝の上にまさか道が続いていたとは。
なんだかすごい場所にでてきたな、と思いつつ、神様にご挨拶、と柏手を打つ。
お邪魔しましたー、ということで礼をし、滝を通り抜ける。
ここからまっすぐ下ればスタート地点の南禅寺だけど、今日の予定のコースでは、さらに日向神社方面へまだ行っていないルートを回るつもりだったので、再び少し上って七福思案処へ。この分岐を日向神社方面に曲がる。
このルート、以前も来たんだけど、日向神社に出るはずが、なぜか南禅寺に出てしまった、というルート。
東山トレイルコース的には、どこかで曲がって日向神社に出ることになっているのだけど、どうやら前回は見逃してしまったらしく、今回こそはちゃんと日向神社に出たい、と思って注意深く進む。
すると、注意していないとまっすぐ進んでしまいそうな箇所に、左に降りる道があった。ちゃんと京都一周トレイっるの道標も立っていた。なるほど、ここだったか。
ということで、今回はちゃんと分岐を曲がり、日向神社へ。天岩戸を後ろからくぐらせて頂き、本殿にたどり着くと、男の人が熱心に祝詞をあげていた。後ろでしばらくお祈りをさせて頂き、境内を下る。ようやく舗装路に出た。
ここから疎水沿いにぐるっと南禅寺に抜ける道があることも確認しており、最後はこのルートを通って南禅寺へ。
疎水沿いルートは未舗装でなかなか雰囲気の良い道だった。ここならデートで散歩とかにも使えそう。地元の中学生が学校に登校していた。こんな道を毎日登校できるなんて、ちょっとうらやましい。
朝通った水路閣に出て、南禅寺に下り、ようやく今日のトレイルが終了。ちょっと怪我もしたけど、とりあえず走破!ということで、自販機で強力ペプシを買って、ストレッチしつつごくり。うまー。
最後はママチャリで家に帰った。ドロドロになったので、公園の水道で靴やタイツをじゃぶじゃぶ洗い帰宅。
服を脱いでみると、足の怪我は思ったよりは派手に真っ赤になっていて、血は流れていないけど内側が擦れて中で真っ赤になっているような感じだった。シャワーで洗って、湿潤治療用のシートを張って処置。
ということで、全部で20km、3時間の旅になった。出勤前にしては、大冒険だった。
膝の痛みは、最初から若干違和感があったけど、結局最後まで同じくらい違和感がある、という程度で、どんどん悪くなったりはしなかった。すごく良くもないけど、すごく悪くもない、という感じだろうか。
それからシューズだけど、今回はスペリオールの2回目で、初めて本格的なアップダウンのあるコースを走ってみた。基本的には足にフィットして快適なんだけど、若干ソールがダイレクトすぎて下りで攻め切れない感じがあった。地面の情報が多いのが良いといえば良いのだけど、かなりダイレクトに石の感覚とかが伝わってくるので、足を思い切って出せない。それが足にとっては良いのかもしれないけど、もう少しクッションがあっても良いのかな、とも感じた。とりあえず、今はロックプレートを外した状態で走っているので、次回はロックプレートを入れて走ってみたいと思う。それでも心もとない場合は、もう少しクッションの厚い靴も視野にいれるほうが良いのかもしれない。(と、あまり次々と靴を買うのは気がひけるけど。一体最近山用の靴だけで何足買っているんだ、と。)
あと、ちょっと小指が靴にあたって痛かった。特に右足。イノベートの時は、親指や人差し指だったんだけど、今度は小指が痛い。もうこれは、足の形と靴の形の相性だから、どうしようもないのかもしれないけど、こうやって10km以上走ってみないとなかなか分からないことなので難しい。
それからスペリオールだけど、上りを登っている途中で、中敷きがだんだん後ろにずれてきて、足の指のあたりにすき間が出来てしまった。今日は雨で靴が濡れて滑りやすくなってしまったのかもしれないけど、何度も靴を脱いでインソールの位置を直す必要があったので、これをレースでやるのはちょっとつらいかも、とも思った。
ま、とりあえず、次はロックプレートを入れてまた試してみよう。

そんなこんなで、ぐるぐる周ったトレランだった。
いやあ、朝から充実でした。

f:id:jkondo:20150920173721p:plain