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7th Kyoto Mount Chop

久しぶりの更新です。走っていなかったわけではなくて、むしろ走り過ぎて毎度書いている暇がなかった、というのに近いのですが、このブログの記事を読みましたよ、という方にお会いして、ちゃんと読んでくださっている方がいるんだ、と思ったこともあって、少しずつでも書いておこう、と思います。

ということで、Mount Chopです。ネットでトレラン情報を検索していると、いろいろな大会の情報が出てきますが、その中でも特に奥深く、深い山の中のような場所にあるのがKyoto Mount Chopです。雑誌やトレランの情報サイトの年間スケジュール表などにも掲載されていない草レースで、大会概要を読むと毎回大会の後には打ち上げがあって、ぜひ打ち上げにも参加しましょう、と書いてあります。そして、覆面レスラーの写真がやたらと出てくる、という怪しさ。もしかして参加すると覆面を被らなくてはいけないのだろうか、などと思いつつ、ちょっと近寄り難いものを感じて距離をおいていました(笑)。

ところがこのMount Chop、毎回コースが変わって、しかもなかなかマニアックな京都周辺のコースを、どんどんと開拓しています。さらに、そのコースのデータがGPXで公開されているために、京都周辺のコース開拓に持って来い。実際にこれまで開催された大会のGPXファイルを全てダウンロードして保存し、TrailNoteで地図に重ねて表示させつつ、「ふむふむ、この道をこうやってつなげて走れるんだなあ」などと眺め、週末に走りに行く、なんてことも何度かやっていました。同僚のにみさんも同じことしてました。

そういう感じで、ちょっと近寄り難いものを感じながら、何となく興味もある、というスタンスでいたのですが、1月に比叡山に走りに行った時に、ロテルド比叡に上ると20人近いトレラン集団に遭遇。お話してみると、なんとMount Chopの試走会だったのです。それで、「普段からGPXファイルを参考に走ったりしていますよ」とか話していると、「ぜひ次回は走りましょう。絶対楽しいですよ」とお誘いをいただき、確かになんだか皆さんの雰囲気がとても楽しそうで、年代も近くて良い雰囲気を感じたので、そこで出場を決意。最近はMount Chopの人気が高く、エントリーは10分で満員になってしまう、という激戦のクリック競争ですが、それも無事に通過して、ワイルドコースのソロにエントリーし、無事に出場を果たしました。

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ということで、第7回目のChop。今回は比叡山の周りを回る45kmのコースです。急な上りも多くなかなかのハードコース。2月に一度下見を兼ねて、まだ走ったことがなかったパートを走りに行きましたが、特に最後の松尾坂がハード。3kmで標高差600mを上る激坂で、いちばんきつい登りがコースの最後にやってくる、という、なかなかしびれるコースであることが分かりました。

さらに加えると、年初からだんだんトレイルを走る回数が増え、最近では平日も週に5日くらいトレイルを走るようになっていたのですが、ちょっと走り過ぎたのか、左足首周辺の痛みがなかなか取れず、だましだまし走る状態が続いていました。

そんな中、雪山を走る楽しさに目覚めてしまい、比良山系や八ヶ岳まで走りに行ったあたりから、いよいよ足の痛みが増し、ちょっと普通に走るのが辛くなってきたため、直近2週間ほどはほぼ走れず。ぶっつけ本番で大会に挑む、という状態でした。

そんな状態だったため、走る前の作戦としては、とにかく無理をせず、足の痛みを悪化させずに走ろうと思っていました。正直、最後まで足が持つのかどうか分からなかったのですが、もしも最後まで行けるなら、最後の松尾坂でちゃんとまともなペースで登れるだけの力を残しておこう、というのが作戦。なんといっても、45kmとなると、これまでに出たどの大会よりも長いコースです。これまで一番長かった40kmのFairy Trailでは、終盤がほぼ下りだったにも関わらず、へとへとになってしまったので、無理せず行こう、と思っていました。

覆面レスラーが登場するアットホームな開会式があり、いよいよスタート。バプテスト病院から比叡山に登っていきます。3番手くらいで前の人について走っていましたが、ふと後ろを振り返ると、上りで走っているのが4人だけで、その他の人たちはすでに歩きモードに入って随分離れていました。それで、あれ、そうするとこの4人くらいの中である程度順位が決まるのかな、そうすると上位ゴールも見えてくるかも、と思いましたが、それと同時に、すでに左足首が痛い。スタート直後からもう痛みが出ていて、上りはまだしも、下りどうなるんだろう、と不安がよぎります。

4人で上っていると、先頭の選手(岡見さん)がペースを上げて一人で行ってしまい、ちょっとついていかない方が良さそうなペースだったので見送り。残された3人で上り続けました。ちなみに岡見さんは、結局このスタート直後の5分くらい一緒にいただけで、その後一度も姿を見ることもなく、30分も差をつけて優勝されました。

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残った3人でロテルド比叡まで上り、下りにはいろうか、というところで、一人がコースを左折して別の道へ。なんとワイルドコースではなく、マイルドの選手だったらしく、ワイルドはすでに3人しかいなかったことが判明。Kyoto Mount Chopに表彰式的なものがあるのかどうかも定かではないが、もしも表彰があるとすればきっと3位くらいまでは表彰されるのだろう、と考えると、ここですでに表彰圏内か!ということは、このまま最後まで走れば、トレランで初めての表彰台かも!?という期待がふくらんできました。

下りに入ると前を行く2位の選手(福田さん)が速い速い。こちらは足首が痛くて、それをかばいながら走っているということもありますが、そうでなくとも落ちるようなペースで下っていくので一瞬で離れてしまいます。紀貫之のお墓への急な上りを上り、お墓を通過して下りに入ると一瞬で福田さんが見えなくなり、ここから一人旅が始まりました。ちなみに紀貫之のお墓への上りはかなり急で、多くのトレイルランナーがここで紀貫之のことが嫌いになるそうです。

下りはところどころ段差の大きいテクニカルな場所があり、すでに痛みが出ている足をかばいながら、恐る恐る下りました。下りきった坂本で2つめのエイド。ここで前の福田さんの姿が見えました。エイドでは、お手伝いをされているNさんから、「近藤さんですよね。実は以前に仕事でお会いしたことがあります」と衝撃の事実を告げられ、「え!?」とびっくり。詳しく話を聞きたいものの、さすがにこの順位でのんびりお話をしている時間も無く、「え、えっと、詳しい話はぜひゴール後に!」とお話してエイドを後にしました。Nさんとはゴール後に無事にお話ができ、なんと日頃からとてもお世話になっている会社に所属され、数年前に仕事の打ち合わせで同席させて頂き、名刺も交換していたことが判明。思い出せず失礼をしました。不思議なご縁で嬉しい限りです。

という話は、ゴール後に分かったものの、この時はなかなか思い出せず、ゆるい上りの林道を走りながら「どこでお会いしたんだろう」とぐるぐる考えつつ走り続けます。前をゆく福田さんよりも僕のほうがほんの少しだけペースが早いのか、遠くに見えていた福田さんの背中が少し大きくなったかな、というところで気持ちが切れて歩きに。とにかくこの林道が長い。5kmくらいあって、しかもだんだん傾斜が急になるため、途中で嫌になってきます。同じ動作ばかりしていると疲れます。歩きを入れると瞬く間に前との差が開き、また走り始めて少しだけ差を詰める、ということを繰り返してようやくトレイルに。やっぱりトレイルのほうが変化があって楽しいです。

トレイルに入るといよいよ足首が痛くなってきて、下りが全然攻められません。この辺りは東海自然歩道になっていますが、大きな段差の階段が設置されていて、これが実に走りにくい。土が流れだして足の踏み場が落ち込んでおり、どうにもスムーズに進めないので、よっこいしょ、と少しずつ足を運んで進んでいきます。

仰木峠への上りはそれほど長くなく、そこから大原へ下ります。もうこの辺では一切福田さんの姿は見えず。さらに下りはあまりスピードが出せないので、ここから先はもう福田さんに会うこともなく、ずっと一人旅になるんだろうなあ、と思っていました。

大原に下りるとチェックポイント。ここで水分を補給しようと思っていたのですが、僕の勉強不足で、チェックポイントには飲食料のエイドはなく、必要であればコンビニで自分で購入する、という仕組みでした。それで、コンビニに入って水分を買うかどうか迷いましたが、時間も惜しいし、まあなんとかなるだろう、ということでそのまま再スタート。持っていたボトルの水で次のエイドまで行くことにしました。

ちなみに今回の装備はとにかく軽くしようと思い、腰にノースフェイスのマンタレイを巻き、そこに250mlボトルを2本差し込み、あとはジェルやスマホパスモに保険証、ライトなど最低限のものを差し込んで走りました。マンタレイで大会に出るのは初めてでしたが、ちょうど気温が高く3月上旬にしてはやたらと暑い日だったので、上半身が涼しくて良かったです。僕は暑がりで、温かいとベストを着ているだけでも鬱陶しく感じるのですが、その辺は腰に巻くタイプが良いなと思いました。

大原を越えると、寂光院から翠黛山、瓢箪崩山へと縦走路を行きます。この翠黛山の上りがきつい。足も疲れてつりそうになり、力も入らず。集中力も少し切れてきて、「もういいや、後ろも離れているだろうし、マイペースで行こう」という気持ちになってきました。しばらく歩いていると、目がチカチカしてきて、そもそもカロリーが足りていない気がしたので、慌ててジェルを3本食べ、水を飲みながら進みました。この辺はほとんど歩いていました。

しばらくそういう感じでマイペースで進んでいると、ジェルが吸収されたのか、少しだけ身体が楽になり、回復してきました。そうは言っても足は痛く、水も足らなくなって喉も渇き、川の水を飲みながらマイペースで進んでいると、なんと瓢箪崩山の手前で前の方に蛍光グリーンの服を着た選手が見えてきました。2位の福田さんでした。もう2度と会えないと思っていたのにどうしたのだろう、道にでも迷ったのかな、と思って近付いていくと、立ち止まってアキレス腱を伸ばし始めたので、どうやら足をつっている様子でした。少しお話をして、前に出させてもらい、先を行くことにしました。ここで、思わず2位に浮上。どちらかと言えば、後ろに追いつかれるんじゃないかな、と思って走っていたのに、まさかの2位に浮上。これでまたちょっと元気が出ました。

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瓢箪崩山から最終チェックポイントの崇導神社は、思った以上に道のりが長く、いつまで続くの〜、と思いながら走り続け、下の方から賑やかな声が聞こえてきてようやくチェックポイントに到着。足がつるんです、と話すと、足つり防止のパウダーを2袋も頂き、「これで大丈夫です」と言われてちょっと気が楽に。「うどん食べますか?」と言われて、めちゃくちゃ食べたかったけど、後ろからすぐに福田さんがくるんじゃないかと思って、我慢して出発したら、ゴール後の打ち上げで「うどん食べてくれませんでしたね」と言われて、今からでも戻って食べにいきたいくらいでした。

そこからついに最期の激坂、松尾坂。前回下見で来た時と同じように、たんたんと一定ペースで歩き続けました。変な動きをするとすぐに足がつるので、なるべく安定したフォームで歩くことを心がけますが、それでもたまにつります。いつもはふくらはぎだけなのに、今日は太ももの内側がつりはじめて、つっても戻す方法もなく、つってるのか戻ってるのかどちらとも言えないような状態で歩き続けました。松尾坂はどんどん傾斜がきつくなって、最後のスキー場の手前で目の前にどーんと激坂が見える場所があります。壁のように見える坂を見た時には、「見なかったことにしよう」とうつむき、足元だけを見て進みました。そんな風にして登り続けること40分ほど。ようやくスキー場に出て上りは終わり。あとは基本的に下るだけです。

下りに入るとまた足がつり始め、足首の痛みも増して、なかなか思うように下れません。ただ、後ろの福田さんは下りが早いので、あまりゆっくり進んでいると追いつかれるんじゃないか、と思い、できる範囲でだましだまし下り続けました。最後の緩斜面になって、ようやく少しスピードが出せるようになり、この辺で2位でゴールできるんじゃないかな、という気持ちになり、そこから朝来た道を走って最後は気持ちよくゴール。これまでのトレラン大会で一番成績の良い、2位でゴールでした。いやあ、長かった。しばらくは足の回復に専念したほうが良さそうです。

ゴール後、1位の岡見さんや3位の福田さん、運営の丸山さんはじめスタッフの方々とお話ができ、みんなでゴールしてくる選手を出迎えたりしました。夜の打ち上げでは、100人以上が大きな座敷に集まってトレラン談義に花を咲かせ、すっかり盛り上がったところで表彰式。2位の表彰で皆さんに祝福して頂き、それが何よりもの賞品になりました。トレランの楽しみを凝縮したような大会で、しかも初めて表彰してもらえる、という体験ができ、ああ、たくさん走ってきて良かったな、と思った1日でした。


追記

リザルトが出ました。
【7th Kyoto Mount Chop! Result】