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OSJ新城トレイル32K

愛知県は新城市で行われた新城トレイルに参加してきました。

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例によって、大学の後輩のじろうちゃんから、「新城出ましょうよ」と誘ってもらい、「新城はどこが面白いの?」と聞くと「山がえぐくて面白いです」という味わい深い回答が返ってきました。同じく大学の先輩のしもっちも、毎年出ているとのこと。2人ともそんなに毎年出ているならきっと楽しいはず、と思ってエントリーしました。

新城には64Kのクラスもあって、こちらは32Kを5時間以内で完走した人でなければ出場できない、という厳し目の設定になってます。しもっちはまだ制限時間を切れないとのこと。じろうちゃんは4時間半で条件をクリアし、昨年は64Kに挑んだものの、途中の関門で時間切れに終わった、ということでした。

山はアップダウンが厳しく、しかも岩場が多いために、あまり走れないコースで、感覚的には「7割登っている感じのコース」とのこと。周回コースなのに「7割登っている」ってどういうこと???

とまあ、事前情報はそういう感じ。
エントリーした頃は、「僕も出られるなら64Kに出たい!」と思ってました。今年は資格がないから、まずは32Kで資格をクリアして、来年64Kだな、なんて思ってたのですが・・・。

直近は、Mount Chopの後に左くるぶしの上の痛みがなかなかおさまらず。Chopの打ち上げでなりさんに、「足が痛いなら新城まで2週間休養するのもありじゃないですか」と言われ、まさかレース前に2週間全く走らずに本番に挑むわけにもいくまい、と思っていたのに、結局少し回復したかと思って軽く鴨川をジョギングするだけで、また痛みが出始め引き返し、なんてことをやっている間に本番が来てしまいました。というわけで、久しぶりに体重も65Kgを超え、しばらく山も走っていなかった状態でスタートを迎えることになりました。

目標としては、コンディション的にベストではないため、あまり無理をせず、ただ、せっかく出るからには5時間を切って64Kの出場条件獲得、できれば4時間40-50分くらいでゴールしたい、と思っていました。正直、「5時間切りは行けるだろう」と踏んでました。

7時に64Kの選手がまずスタート。64Kにエントリーしたじろうちゃんは、足に痛みがあるため残念ながらDNS。「今日は応援します」とさわやかな笑顔でした。なかなか潔いです。64Kのスタートを見ていて分かったのは、これはかなりのレベルの選手でなくては出られないクラスなんだな、ということ。とにかく選手が少ないし、みんな強そうな人ばかり。エントリーが30人ほどしかおらず、なんとその中でも昨年ゴール出来たのは半分しかいなかったそうでした。一体どれだけ過酷なコースなの??

そんな64Kのスタートを見送って、いよいよ自分が走る32Kも8時にスタート。

最初は林道を数キロ走ります。スタートしたものの、とにかく身体が重い。割と前の方、5列目くらいからスタートしたものの、どんどんと周りの選手に抜かれていきます。腕時計を見るとキロ4分30ペース。そんなに飛ばしているわけでもないのですが、全然ペースを上げられません。今の状態だとどこまで身体が持つかも分からないので、無理せずマイペースで進みます。

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林道が終わってシングルトラックに入るところで渋滞が発生。これまではいつももっと前で入っていたので渋滞に巻き込まれたことはなかったのですが、今回はじめて渋滞を経験しました。前後のペースに合わせて上りを2回こなし、第1エイド。ここから本格的な上りが始まります。

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上りはとにかく坂が急で、走るのはちょっと難しい感じ。手で足を押さえながら歩いて登って行くと、稜線に出てぱっと景色が広がりました。なかなかの高度感。そして、稜線は岩がごつごつしていて、岩を縫うように進みます。谷から上がってきた風がさーっと吹き抜けて、緑の木々を揺らし、汗を冷やしてくれます。気持ち良い~。

なんだか、久しぶりに「山」を感じました。そうか、僕が山に入らないうちに、木は葉っぱをつけていたんだなあ。ずっと枯れ木の中を走っていたのに、いつの間にか山には緑が芽吹いていたんだな、なんて、季節の変わり目を感じていました。そうそう、今回は前日も昼間に17度くらいの温かさになり、もう半袖でも過ごせるような温かさ。服装も半袖短パンに、サロモンベストに少し多めに水1L持って、という感じで、すっかり夏場に近い装備になってきて、いよいよ山のシーズンが本格的に始まったんだなあ、と感じました。

景色も空気も気持ち良いのは良いのですが、身体はなかなか気持ちよく軽やかに、とはいきません。恐らく50位くらいの位置だと思うのですが、周りのペースについていくのが精一杯です。

この辺りで、ハセツネ女子優勝の北島良子選手がちょうど前にいて、その後ろに北島さんのフォロワー(?)集団が連なり、その人たちと一緒に上りました。昨年はFairy Trailで丹羽さんの後ろを走る機会があり、今回は北島さんの後ろ、ということで、ちょうど女子のトップランナーと一緒に走れる機会が多くて参考になります。軽やかなステップで上りも走っている丹羽さんとは対象的に、北島さんは上りではじっくり歩いて登る感じで、今日は息も少ししんどそうでした。女子はさらにその前に3人ほどいて、2人には勝てませんでした。

一度稜線から降りて、林道を下ったところで家族が応援に来てくれていました。スタート地点から5kmほど歩いて来てくれたみたいです。通り抜けるときに手を出してハイタッチすると、息子が「今日はなんでこんなに遅いの?」と素朴な疑問を口に。。う、やっぱり遅いんだね。。と思うも、動かないものは仕方ないです。これまでは、「え、もう来たの?」という感じで家族を驚かせてきたので、だんだんそういう期待で応援してくれるようになったようですが、今日はその期待に応えられない自分がいました。不甲斐ない。

ちなみに足は多少痛むものの、リタイアを考えるほどではなく、下りで少し気を使いながらゆっくりめに下れば、最後までは行けるかな、という程度だったので、どちらかと言うといつもほど前に行けなかったのは体全体のコンディションが原因でした。

亀石の滝まで林道を登り返し、再びトレイルへ。亀石の滝が思った以上に立派でした。ここから長い上りが始まります。まずは南尾根まで上り。この上りはまだ比較的緩めで、たまに走りを混ぜながら上りました。走っていたおかげで、5,6人順位アップ。

そこから一度トラバースして、東尾根から宇連山へ。今回のコースで最もきつい上り。かなりの激坂が繰り返し現れて、しかも距離も長い。最初はなるべく良いリズムをキープして歩き、少しずつ前の人をパスして数人順位アップ。この辺りまでが、まだ元気な区間でした。一度南尾根との合流地点に出て対面通行区間に入り、もうそろそろ終わりかな、と思ったらそこからも激坂の連続。ちょうど64Kの選手が降りてくるのとすれ違いながら、さらに上ります。最初は淡々と歩いて登っていましたが、だんだん足に疲労を感じ始めて、思わず立ち止まって息を整えることも。やっと宇連山の山頂に着くと、冷えたコーラを私設エイドの方が出してくださっていて、「コーラ飲みますか?」と言われた瞬間に、「はい!」と答えて思わず座り込んでしまいました。

どうやら座り込んだのは僕が最初だったらしく、コーラを出してくれた女性は、「あ、座って飲む感じですね」みたいな反応。「はい、ちょっと休ませてください」という気持ちで木の根っ子に座り、冷えたコーラをぐいっと飲むとやっと少しだけ身体が楽に。「じゃ、行ってきます。ありがとうございます!」と山頂を後にし、進みます。ここのコーラは本当に美味しかったです。感謝。

ここから南下して棚山のエイドまで続く東海自然歩道のコースは、今回のコースでは一番走りやすい区間で、ゆるい下りから平坦の道が続きます。余力があれば、快適にどんどん進めると思うのですが、足首が痛むのと、足に疲れも出ていて、あまりペースは上げられず。「とにかくゆっくりで良いから走り続けよう」と思いながら、ジョギングしているような感じで走り続けました。

棚山のエイドで水分を補給。そういえば、OSJの大会はエイドステーションであまり食料の補給はないらしく、普段食べ物が充実したエイドの大会に慣れていたこともあって、ちょっと焦りました。たまたま少しジェルを多めに持ってきていたので、結局最後まで食料は持ちましたが、大会によってこんなに違うのか、と知りました。エイドにはパワーバーやポテトチップス、チョコが置いてあるくらいで、基本的に自分で補給食を持っていないとダメみたいです。こういうのもなかなか走ってみないとわからないです。

棚山を越えると、先ほど南下したルートと平行して今度は稜線を北上します。先ほどのルートとそれほど離れていないはずが、さっきとは全然異なり激しいアップダウン。基本的に上り坂は全て激坂w。これでもか、これでもか、というくらい上って下って、を繰り返して、足に疲労が溜まっていきます。だんだんと足がつりそうになり、この辺で2ランを飲んだり、目の前がチカチカし始めたのでまずいと思ってジェルを流しこんだりしながら進み、ようやく再び宇連山の分岐へ。

ここからは基本的に下り基調。残り5km。この辺で経過時間が4時間20分。5時間を切るには、1キロ8分で行く必要がありますが、ここまでの平均ペースが10分弱。いくら下りとはいえ、平均8分はちょっと厳しいかなあ、という感じになってきました。足の痛みも我慢してせっかく出場したのに、64Kの出場資格も得られずに終わるなんてちょっと悔しい!と思い、下りでちょっとがんばってペースを上げてみますが、岩場の下りでなかなか攻めきれません。

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ゴツゴツとした岩場で、スピードをあげると足に衝撃が走ります。だんだんと、左足首に加えて、右膝に痛みを感じ始め、攻められなくなってきました。そうこうしていると、再びアップダウンが始まります。そう簡単に終わらせてくれないこのコース。またしても激坂の上り、岩場が続き、ああ、いよいよ5時間切りは無理か…と諦めが出てきたあたりで、前方から「近藤さん!」という掛け声が。

見上げるとじろうちゃんがカメラを持って小さいピークの上から応援してくれていました。足が痛いというのに、こんな上まで登ってきて応援してくれてるんだ、と思いつつ、「5時間切れないかもー」と弱音を吐くと、「行けますって!」と明るい返事が。なんだか弱気になっていた自分が恥ずかしくなってきました。
「じゃあ元気ちょうだい」と手を出すと、手を握り返してくれて、「気合入れろ!」と言われて本当に元気が出ました。「よし、行くぞ!」と掛け声をかけて、もう一度ペースを上げて下り始めました。

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…が、しばらく行くとまた足に痛みが。いよいよ右膝が本格的に痛みだし、下りがかなりつらくなってきました。そうこうしているうちに時計が無常にも5時間を示し、資格が獲得できないことが確実になった時に気持ちが切れ、一度上り坂の途中で座り込んでしまいました。「ふう、だめだった…」。

後ろから来た選手2人くらいと声を交わし、さて、ゴールに行くか、ともう一度立ち上がってゴールへ。最後の下りも足をかばいながらでスピードは出せず。左足首と右膝で両足が痛むために、「もう勘弁してください」という感じで下ってゴール。結果は5時間9分で63位。年代別40代で19位でした。

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ゴールで待っていると、しばらくして下田さんがゴール。さらにお風呂に入って出てきたあたりで64Kトップの望月さんがゴール。32Kの選手にもたくさん迎えられて、なかなか感動的なゴールシーンでした。正直、あのコースを2周もして、こんな明るい時間に戻って来られるなんて信じられない気がしました。出る前は、「早く64Kに出たい」と思っていたのに、この時は、自分が64K走りきれるイメージが全然持てず。出たいかと聞かれたら、「出たくないです」という気持ちになっていました。新城の山は、本当にえぐかったです。ただ、登山する山としてみると、景色も良いし、岩場を楽しめるし、とても良い山だと思いました。そこが魅力だ、というのも分かりました。

トレランとして見ると、今回は全体的に、これまでで一番打ちのめされた感じの大会に。

要因としては、まず、足の痛みをおして出場したこと。練習もできなかったし、痛みがあってなかなか思うように走れない。結局足をさらに痛めるだけで、不本意な結果にもなるので、じろうちゃんのように潔く見送る、ということも大事だなと思いました。

それから、ずっとアルトラのローンピークを使ってますが、今回の岩場の多いコースではもう少しクッションのあるシューズも履いてみたい気がしました。特に今は足首を痛めていて、前足で着地すると痛むためにどうしてもかかとで着地したくなるのですが、そうするとかかとにクッションの少ないアルトラだと今度は膝を痛める、という悪循環に陥っている気がして、少なくともちゃんと足が回復するまでは、かかとにクッションの入った靴の方が良いかも。

あとは、1ヶ月に2回も長めのレースを走るのは気持ちの面でもちょっと大変ですね。オフシーズン中は早く次のレースに出たくて、春先のレースにたくさんエントリーしたんですが、実際に始まってみると、次の大会までに気持ちを充実させるのが難しい面もあるな、と思ったので、「もっと出たい」と思っているくらいで、次の大会を楽しみにできるくらいで出るのが良いかな、という気がしました。

とまあ、少し方向修正が必要かな、という結果になった今回ですが、トレランを始めてから半年間ほど、勢いに任せて走り続けてきたところに、ちょっと一服というか、転機を与えてもらえたかな、と思うので、それはそれで良い機会になった気がします。

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