滋賀県一周トレイルに挑戦!その6

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高島トレイル後半へ(2017年5月23日)

前日、かなり遅い時間まで行動したために、身体が重く感じる朽木の朝。朝ごはんはコンビニにして、早めに宿を発ち、それでも今日もまた、トレイルに向かいます。これで連続4日目。

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だんだん、トレイルを走る(というか歩く)のが、日常化してきたような気もします。ちょっと右膝が痛みます。

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今日のコースは、高島トレイルの後半。最初、二の谷山を越えるとすぐに水坂峠に降りて車道と出会いますが、そこからまた山に入ると、ゴールまで一度も車でアプローチできる場所がありません。ついに、ほぼ1日サポートが出来ないコースがやってきました。

サポートがないと一番困るのは水。連日、日差しが強く、1日で3−4リットルは水分を飲んでいます。4リットルをトレランザックに入れるのはなかなかの重量です。

幸い、トレイルマップには、抜土に水場がある、と書いてあるので、そこで給水できることを期待して、2.5リットルほどを担いで山に入りました。今日は、できれば高島トレイルを全部抜けて、国境まで行ってしまいたいですが、距離的に少し長いので、たどり着けなければその手前で山を降りる形になりそうです。

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朝一番、桜峠から二の谷山へ入ります。登りやすい道をしばらく行くと山頂へ。まだまだ涼しい時間帯で、快調に進みます。

ここでなんと、前から人が歩いてきました。昨日は1日中歩いて、トレイルでは誰一人会わなかったのですが。今日も平日なので、人はいないと思っていたら、こんな朝早くから遭遇。ちょっと嬉しいです。

すれ違いざまに情報交換をすると、水坂峠から向こうが急坂で、降りるのに苦労したとのこと。上りなら少しマシかもしれませんが、ということでした。

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二の谷山からの下りも少し急勾配でしたが、気をつけながら降りて行くと水坂峠に。ここで最後の補給。

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ここから標高差600mを武奈ヶ嶽まで上りますが、確かに急です。傾斜が急なだけでなく、斜面が土で覆われていて、グリップが効きにくい。それで先ほどの方は苦労されたんですね。

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そんな急な坂を登っていくと、だんだん周りの木が低くなってきて、高山感が出てきます。さすが日本海に近い山、1000m未満の標高なのに、もっと高い山にいる感じがします。

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(ぶ)

そうこうしていると武奈ヶ嶽に到着。ここは標高865m。木が低くて景色が良いのは良いのですが、日光を遮るものがなくて暑い。昨日までとは打って変わって、日よけが欲しくなってきました。

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すでにのどが渇いている感覚がありますが、あまり水を飲みすぎるとあとが心配なので少しずつ口に含みます。

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一度標高を下げて、再び登り返すと、三重嶽にたどり着きます。
連日の疲れからか、なかなかペースが上がらず、上りの途中で腰を下ろして休憩。

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息を整えてから再び歩きだし、三重嶽に到着。973m。
標高が上がってきて、少し風が涼しく感じます。木も多くて、木陰にいる分には、まだなんとかやり過ごせます。

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しばらく進んでいくと、日本海側の景色が大きく広がる、大きなコルに出たのですが、ここに驚くべきことに大きな雪の塊が残っていました。標高1000mない場所で、5月下旬に雪があるなんて。

ずっとのどが渇いている感覚があったので、一瞬、あの雪にかじりついてやろうかと思いましたが、あまりきれいじゃないだろうな、と思いとどまりスルー。さらに先に進みます。

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このあたりで、また人とすれ違いました。高島トレイルも、こちら側(僕的には後半ですが、オフィシャルには前半でしょうか)の方が、人が多いみたいです。すれ違った方も、「水が心配」と仰っていました。
「抜土で水はくめましたか?」と尋ねると、「汲めましたが、私は浄水器を使いました」とのこと。
うーん、浄水器持ってないんですよね。まあ大丈夫かな。とりあえず、水があることは確認できほっとしました。
もしかしたら、今日の最後までこの水でいかなくてはいけないかもしれない、と思いながら、ちびちびと水を飲んでいたので、ここからは、「抜土まで持てば大丈夫」というモードで飲めるように。ちょっとした情報で、こちらのスタンスも大きく変わってきます。

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ここから大御影山までは、沢の源流を回り込むようにぐるっと半周するような形で稜線が続きます。目的地は沢の向かい側に見えていますが、そこにたどり着くのに北側の稜線をしばらく進まなくてはいけません。

大御影山の山頂には反射板があり、かなり手前から見えているので、そこを目指すような形で進み、山頂に到着。

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山頂には大きく「美浜町」と書いた看板が立っていて、ここは滋賀県の山であるとともに、福井の山であることを実感します。確かに、日本海が何度も見え隠れしています。きっと海沿いの町から見上げると、最初に出てくる大きな山が、このあたりの山々なんでしょう。

京都から走りはじめて、日本海近くまで来たんだと、感慨深く感じます。

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大御影山から南に伸びる尾根は、今日一番の走りやすい道。あまりに走りやすくて、思わず寝そうになりました。(あまり記憶がありません笑)

850m地点で、南に下る登山道と分かれて、東向きに左折。しばらく降りると抜土に到着です。
確かに、沢が流れていて水が汲めました。流れが若干淀んでいて、多少木の枝などが浮いているような沢でしたが、見た感じ水もきれいそうでそのまま飲みました。幸いお腹の調子も大丈夫。

ここで水を満タンにして、さらに後半に進みます。

この時点で時刻は14時すぎ。やはり国境まで行くのは難しそうですが、かと言って大谷山で降りるには早そうです。そこで、三国山を越えて、黒河越まで行って、マキノ林道から下って降りるのを今日のゴールに決めました。

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大谷山に登って、寒風、赤坂山に至る道は、高島トレイルのハイライトと言っても良い区間。景色が良い展望の開けた道が続きます。
そう言えば西さんも、「赤坂山付近はドローンポイントですよ」と言っていました。が、今日は持ってきていません。残念。

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マキノやびわ湖を見下ろしながら、絶景の中を進んでいきます。

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大谷山に到着!眼下にはメタセコイアの並木が見えます。今日はあのあたりに泊まります。

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大谷山から赤坂山に向かう区間、すばらしい景色が続きます。

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寒風を通過。きっと冬は寒い風が吹くんでしょうね。

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電線の向こうに、赤坂山が見えてきました。このあたりでは、一番メジャーな山のようです。

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大谷山を越えたのが15時過ぎ、赤坂山には16時過ぎに到着しました。これなら、そこそこの時間には三国山を越えられるでしょう。

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三国山付近はトラバースする形で登山道がついていて、山頂はショートカットできますが、ここは一応踏んでおかないと、と山頂ピストン。この時点で16時50分。ちなみに、この三国山下のトラバース区間でも水がくめました。ここの沢は水が豊富でした。

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ここから黒河峠まで下り、林道を下って17時半にゴール。今日は39.8km。累積2369mでした。
本当は高島トレイルを終えてしまいたかったですが、少し距離的には難しかったです。
マキノ高原の温泉さらさに入り、民宿に泊まりました。

これで4日間連続で走りました。毎日40kmずつくらい、進んでいます。

最初は何日走り続けられるかわからなかったので、あまり明確に「三重まで行きます」などと言わずにスタートしましたが、この日、「こんな感じなら、続けていけるかも」という気がしました。そろそろ、自分が何をやろうとしているか、ちゃんと説明したほうが良い気がして、はじめてfacebookに「滋賀県一周を目指して、三重まで走っています」と書き込みました。少し自分を追い込む意味もありました。(そして、早速翌日にその効果が出ることになります)

高島トレイルを走り終える

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翌日、5月24日は、曇のち雨の予報。今回はじめて、晴れではない予報です。朝から山に雲がかかっています。

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昨日の続きから高島トレイル最後の区間に入ります。昨日とはうって変わって、どんよりしています。

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霧の立ち込めた稜線を進み、乗鞍岳へ。立派な名前で、どんな山だろうと思いましたが、山頂は建物の横のとってもさりげない感じの山頂でした。(ちょっと拍子抜け)

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ここから国境のスキー場に向けて下りますが、膝が痛みます。天気が悪いのもあるのでしょうか。数日前から、軽い痛みは感じていたのですが、朝一番の下りから、これまでになく痛い。おまけに寒い。天気もどんよりしている。これまでで一番テンションが低い朝でした。

無理をして膝を痛めると、7月のアンドラのレースにも影響が出るといけないし、無理をしない方が良いんじゃないか。あまり痛いようなら、勇気ある撤退もありうるんじゃないか。考えは、どんどんマイナスの方向に膨らんでいきます。

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国境にたどり着いて、ようやく高島トレイル全線踏破。80km。2日と少しかかりました。ひとまずここまで来ました。
ここからは、余呉トレイルにつなぎます。が、道がちゃんとあるのかどうかは怪しいです。

国境でサポートしてもらいつつ、これまでで一番前に進む気がなくなっていました。
「やっぱり行くのかなあ」「膝が痛いんだけど、無理しない方が良くないかなあ」などと、ネガティブな発言をしつつ、
「でも、昨晩三重県目指して走ってますって言ったのに、それで今朝やめてたら格好悪すぎだよなあ」と言ったら、文香さんから「ほんとそうだよ」と、「あり得ない」風の反応が返ってきました。
「やっぱりそうだよなあ・・・」と半分諦めモードでリタイアを断念(なんだそれw)。

ここからは、これと言って目立つ山もなく、どんな道かも分からないけど、とりあえず進むか、と重い腰をあげます。ほんと、腰が重かったです。

余呉トレイルへ

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余呉トレイルの入り口にたどり着いてみると、やはり特に道標などはありませんでした。予想はしていましたが、高島トレイルとは整備状況が全然違いそうです。

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それでも最初の657mピークに向かうまでは、鉄塔の整備道などもあり、道がついていました。しかし、ピークを越えたあたりからは、ほぼ道はなし。なだらかな稜線の上を、主稜線から外れないように進みます。雰囲気的には、北山の稜線のような感じでした。この区間は、道は不明瞭でしたが、下草があまりなく、藪漕ぎが必要なほどではありませんでした。

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杉芝がたくさん積もった、柔らかい山を、細かいアップダウンを繰り返しながら北上し、深坂越に到着。ここは昔は、滋賀と日本海を結ぶ交通の要所だったようです。

旧街道から国道8号線に出て、新道野峠へ。ここからまた、次の区間、三方ヶ岳から行市山に向かう県境稜線を進みます。

引き続き、道がちゃんとしているかどうか怪しい上に、それほど名のある山があるわけではなく、いわば「地味」な区間。天気もどんよりしていて、なかなかテンションが上りません。

しかし、進むしかありませんよね。やっぱり、行くしかないよね、なんて言いながら、ぼちぼち歩き始めます。

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新道野峠から稜線に入る道は、のっけからどこに入口があるのか全く分からず。しばらくは林道を登っていって、そろそろかな、というところで笹をくぐって尾根に入りました。

一応テープが巻いてあったので、これが正規ルートなんでしょう。

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入り口からしてそういう具合だったので、ここからの道も、基本的にはあまり踏み跡のない、不明瞭な箇所が多い道でした。
それでも、稜線なので、地形を把握できていれば、大きくルートを外すことはないのですが、先ほどの区間よりも笹や木が出てきて、時折藪漕ぎのようなことをしなくてはならない場所もあり、忍耐を強いられます。

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そうこうしながら、573mピーク、549mピークを越えると三方ヶ岳に接近。ここだけ、鉄塔の整備のためか、やたらと道がきれいでした。

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きれいな道を思わず進みたくなりますが、三方ヶ岳手前で右折が必要。ここは騙されずにちゃんと稜線を辿れましたが、すぐにまた笹が茂ったりして、進みにくくなります。
そしてその後しばらく行ったところで、騙されてしまいました。

ここ、今回のルートの中でも、一番のトラップだと思うんですが、なんと県境が、主稜線から少しだけ外れているんです。

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赤い点線が稜線。黒い線が県境。
ここまで、県境=中央分水嶺で、ずっと県境を進めば良かったのですが、なぜかここだけ、県境と稜線が違うんです。
そんなこと知らなかった僕は、県境を忠実になぞったGPSファイルを地図に表示させ、一生懸命そのルートを探そうとうろうろしますが、どうしても見つかりません。
(一度、本来のルートに入りかけたのですが、地図を見て「ここではない」と判断して戻ってしまいました)

県境線上に進もうとしますが、どうしても降りられるような道ではなく、仕方がないので北に向かう尾根から谷に降り、そこから林道でまた登ってきました。登ってきたは良いものの、どうにかして元の稜線に戻らなくてはいけません。

一番稜線に近くて、標高差も少なそうな箇所から、無理やりよじ登って稜線に復帰。ようやく本来のルートに戻ることが出来ました。(青い点線ルート)

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事前のルート作成の際の不注意と言えば不注意なのですが、地形図を見てもなかなか気付かない地形になっていて、ここは完全にトラップでした。(行かれる方はぜひ注意してください)

もともとテンションが低かったところに、追い打ちをかけるようにそんな道迷いタイムがあり、すっかり意気消沈。だんだん雲行きも怪しくなってきて、天気も悪いし、心も空も暗いです。

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行市山の手前まで来ると、ようやくまともな登山道が現れて、ほっとします。

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行市山にほどなく登頂。やっと余呉町が見える場所まで来ました。

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本当はここから、余呉トレイルを北上し、柳ヶ瀬山まで行ってから、下に降りる予定でした。
しかし、行市山から北に向かおうとすると、いきなり深い笹に行く手を阻まれます。

この稜線、賤ヶ岳の戦いの時には、柴田勝家側の陣地として何箇所も砦が置かれ、馬が駆け巡る道だったそうですが、そんな過去の出来事も遠い昔。
地面には道がついているのですが、とにかく笹が元気。全然前に進ませてくれません。
ここで、ポキっと、心が折れてしまいました。もういやだ。行きたくない。

ここまで、藪漕ぎや道ロストなどで散々苦労しながらやっとここまで来て、ここからまた藪漕ぎが必要なのか、と思ったら、もう進む気力が湧いてきませんでした。行市山の登山道はとても良く整備されていて、そこから降りてしまいたい。降りよう。

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ということで、あっさり引き返し、そのまま西へ、行市山の登山道を下ります。この道は本当に、よく整備されていました。地元の方が、よく歩かれているということがよく分かりました。200mごとに、「頂上まで◯m」という看板まで立っていました。
今回の滋賀県一周トレイルで、コース的に一番妥協したのはここかもしれません。でもそういう跡が残るのも、自分らしいな、とさえ思いました。

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きっと、地元の子どもたちが、遠足などで上るんでしょう。たくさんの人に愛されている道って、なんて良いんだ、と思いました。道が愛されていると、道を走っている自分も愛されている気持ちになりました。ああ、道があるって幸せ。。

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そんな幸せを噛み締めながら、余呉町に下りました。今日は、さすがにちょっとくたびれました。心も足も、ボロボロです。
気持ちがこんなにつかれてしまったのは、今回はじめてのことでした。

この日は34.3km。累積1666m。ちょっと短めです。

余呉トレイルについての情報収集

この日は、余呉トレイルの拠点となっているウッディパル余呉に宿泊。予め「トレイルのお話を伺いたい」とお願いをし、詳しいスタッフの方に情報を教えていただくことにしました。(ちゃんと情報を仕入れておかないと、ひどい目に会うことがよく分かりました)
スタッフの方は、わざわざ予定を変更して、僕の到着時間に来てくださり、いろいろ教えてくださいました。

この日僕が通ったルートは、余呉トレイルの中でも地味な区間のためマイナーで、シーズン初めに一度草を刈ったものの、しばらくするとすぐに笹などが伸びてしまってどうしても荒れてしまう、ということでした。(はい、実感しました)

さらにお話を聞いてみると、余呉トレイルの北部、県境稜線は、点線が書いてある区間はまだ通れるものの、点線すらない区間はかなりきびしいとのこと。北部の上谷山などは、とても良い山ではあるものの、登頂するには残雪期にスノーシューなどでアプローチしないとかなり厳しいということでした。

また、僕が行く予定にしていた横山岳は、西の尾根も、南東の尾根もちゃんとした登山道があるが、土蔵岳につながる稜線は分からない。金糞岳近辺も道はあるが、八草峠とつながっているかは分からない。奥伊吹スキー場からブンゲンまでも、道があるが、その前後の県境稜線に道があるかどうかは分からない、ということでした。(分からない区間もたくさんありましたが、そんな稜線を突き進もうとする人が、そもそも少ないのでしょう。このエリアは、もはや余呉トレイルでもないですし)

ということで、もともと計画からは外していましたが、滋賀県最北部の稜線は道がなくてあまりに厳しそうなので、やはりカットすることにしました。さらに、奥伊吹の横山岳、土蔵岳、金糞岳、ブンゲンあたりの山々も、本当は稜線をずっとつないで行けると美しいのですが、道があるかどうかは分からずじまい。あとは現場に行ってみて、進めそうなら進む。難しそうなら通常の登山道を進む、という方針で行くことにしました。

今日のルートでも随分苦労しましたが、ここから先は標高も上がり、さらに山深くなりますし、熊もよく出るとのこと。もし何かあっても助けに来てもらうことも難しいので、慎重に進もうと思いました。

はじめての半休、七々頭ヶ岳

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翌日、5月25日は朝から雨。はじめての雨です。結構降ってます。
こういう日は無理をせず。ちょうどいい機会と思い、午前休を取ることに。(仕事を休んでこんな遊びをしておいて、さらに午前休とはなんぞや)

膝も痛いし、気持ちもどよーんとしていたし、疲れも溜まっているし、朝からひたすら眠り続けます。

その後靴の修理をしたり(5日間で、ソールが剥がれたりして、ぼろぼろになってきました)、足りない装備をスーパーに買いに行ったり(藪漕ぎ用に腕を守るものが必要だと分かりました)していると、雨が上がりました。
そこで午後から、12kmほど、進んでおくことにしました。明日朝一番で横山岳に入れるように、新谷山、七々頭ヶ岳を越えて横山岳登山口まで進んでおきます。


170525七々頭ヶ岳(Mavic Pro)

余裕があったので、久しぶりにドローンも登場。七々頭ヶ岳付近の林道と、気持ちのよい山里で飛ばしてみました。

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新谷山に入るところで、柳ケ瀬集落の方に「一体どこ行くの。そんなところに道なんかないよ?」と言われました。(確かに、入り口にはちゃんとした道はなかったです)
しかし、だんだんこういうのにも慣れてきました。

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きっとまあ、斜面を上がって尾根に出てしまえば、道ぐらいあるだろう、と思って急斜面を登っていくと、やっぱり道はありました。なんだか、自分が野人化している気がします。

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七々頭ヶ岳は、地元の方の信仰の対象となっているらしく、頂上に祠があり、登山道もよく歩かれていました。

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菅並の集落まで降りて、今日は終了。いよいよ明日からの、奥伊吹の山々に備えます。

さて、道はどのくらいつながっているのでしょうか。熊に会わずに済むでしょうか。
どきどきします。

半日休んで、少しリフレッシュできました。明日からまた、高い山が待っています。

(つづく)