Andorra Ultra Trail Mític、時間は31時間。結果は84位でした。
45kmのMargineda前後の下りと上りで疲れを感じてからは、ペースがゆっくりになり、仮眠を取ったり、ふらふらしながらなんとか完走した、という印象でしたが、各チェックポイントの通過順位を見てみると、終始順位が上がり続けていました。(こちらの通過時刻表の 100/446 などと書いてあるのが順位。途中で急に順位が変わるのは無視。最初は150番くらいだったのが、140番、110番台になり、最後は80番台になっていったのが分かります)
自分の中では、「後半ガタガタでどんどん崩れていった」という自己認識だったのですが、通過順位を見ていた人からは「どんどん順位を上げていってすごく良い走りでしたね」と言われて、「え?そうなの?」という感じでした。
それだけ、他の人はもっとペースが崩れていったり、途中でやめた人が多かったんだと思います。
長いレースは、何があるかわからないから、諦めちゃダメだ、とよく丹羽さんが仰っていて、そういうものなのかな?と思っていましたが、実際にそうだと思いました。しんどくても、諦めずに進んでいれば、周りの人もやっぱりしんどいし、そこそこの結果になったりもするんだな、と。
一応、Miticに出場した日本人の中では、のりさんと並んで一番順位が良かったみたいでした。
この大会の素晴らしいところは、ゴール後に、完走者はビールが飲み放題だということw。その他にも、完走者だけがもらえるメダルとフィニッシャーズジャージもあります。
朝の5時にゴールして、シャワーを浴びて寝たのですが、7時には目が覚めてしまいました。朝食を食べていると、片岡さんと宮崎さんがゴール。片岡さんはRondaで日本人男性最高位(日本人最高位はもちろん丹羽さん)。宮崎さんはリタイアしたんじゃないかと思っていましたが、なんとあれから気持ちを持ち直して最後まで歩き続けたそうです。
それからまたゴール地点に行き、ビールを飲みながら他の選手のゴールを見ていました。飲み放題なのを良いことに、朝から5杯くらいおかわりしました。
ゴール地点に帰ってくる選手の顔は、皆それぞれ、それぞれの道中を物語っています。その顔を見ていたら、途中でどれくらいつらいことがあったか、どんな思いを持ってゴールまでたどり着いたか、自分も走っている分だけ、余計に分かる気がしました。
特に格好良いのが、ユーフォリアの選手。かれこれ4,5日間歩き続けて、ついにたどり着いた2人。2人で励ましあって、長い道のりをやってきて、最後に抱き合い、涙を流す選手を見ていたら、こちらまで涙が出てきました。一体どれだけ大変だったんだろうと。そして、ここまでたどり着けて、本当に良かった、って。
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なんて感動的なんだろう、って思いながら眺めていたら、反対側で丹羽さんも同じような顔で見てました。準優勝して、午後には表彰式で表彰される選手だというのに。
丹羽さんの表彰式を見届けて、その日の夜には、同じツアーで参加したメンバーで打ち上げの夕食会。
片岡さんは、「自分が何を成し遂げたのか、今はまだ良くわかりません」と言っていましたが、まさにそういう感じ。
全身に疲労感があるけど、まだ興奮していて、眠ることもできない。
完走はしたけど、これが自分にとってどういう意味があるのか、まだ良くわからない。
きっと何日かすると、どっと疲れが出るんだろうけど、とにかく今は、全身で充実感を感じている。
互いに励ましあった仲間と、喜びや悲しみを分かち合えている。それが楽しかった。
日本に帰ってみて、もっと長いレースに出たいと思うのか、しばらくいいや、と思うのか、なにか別のことを感じるのか、まだよく分からないけど、ひとまずよかった。うれしい。
充ちた気持ちを抱えて、帰路につきました。
(完)