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憧れの槍・穂高縦走に挑戦!(前編)

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ここ数年、夏になると日本アルプスに行くのが恒例になっています。
2年前の裏銀座縦走、昨年は家族で立山から薬師岳の縦走、と、
暑さを避けながら(ここ重要!)、毎年5日間ほど北アルプスを歩いてきました。

涼しいのも良いんですが、なんでしょうか、あの、3,000m級の山独特の空気感がたまりません。
ひんやりした空気、夜空の美しさ、無駄なものが無い世界。

年に一度くらい、あの空気を吸いに行かないと、なにか、この世界にちゃんと生きていると言えないのではないか、
とまで言うとちょっと言い過ぎですが、
まあとにかく、夏が近づいてくると、気持ちが高鳴ってしまいます。

ところが今年は7月に疲労骨折をし、8,9月はほとんど走ることもできませんでした。
でも、1回くらいは北アルプスに行きたい、と諦めずにタイミングを伺っていました。

ようやく足の調子が良くなり、軽いランニングが出来るようになってきたのが9月中旬。
そこから天気を伺っていましたが、ずっと雨続き。
2回ほど計画を立てましたが、天気が悪そうで断念。

10月に入り、ようやく晴れ間も見え始めたものの、もうアルプスではすでに秋。
例年なら積雪があってもおかしくないし、山小屋の営業も終わってしまう。
というまさにギリギリのタイミング。

体育の日を含めた連休も最初は秋雨前線がやってきて雨。
しかし、秋雨前線が通過後に晴れ間が広がる可能性がありそうでした。
もうこのチャンスしか無い、と上高地行きの夜行バスに飛び乗ったのでした。。

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上高地についてみると、大雨(笑)。
バスターミナルには寒い風が吹き付け、登山の準備をしている人たちも、
「これ、本当に行くの?」という雰囲気。

夜行バスの疲れもあり、僕も出発する気にはなれず。
翌日の夜に予約しているホテルに行って、ロビーで寝てました(笑)。

2時間ほど寝ていると、次第に天気が回復して小雨になりました。
秋雨前線が南に通過したようです。

さて、ここから。
この先の天気の回復を期待して、小雨の中出発します。

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小雨の河童橋を出発。
今回の装備は、トレラン系の装備ベースに。
なるべく軽量化をはかりつつも、秋の3000m峰、宿泊もあり、ということで、
ゴアテックス、上下ダウンジャケット、予備の水などなど、普段よりは余裕を持った装備にしました。

ただし、岩稜地帯はなるべく軽量の方が安全、ということもあって、無駄なものはなるべく省き、
水や食料を抜いたベースウェイトで3.7kgほどでした。
靴は新しいローンピークで。

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まだ雨の残る道を梓川沿いに進みます。

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少しずつ雲が開けて、明神岳が見えてきました。

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平坦な道を徳沢まで進み、ここからいよいよ本格的な登山道に。

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いきなりの急登が始まります。
道はまだまだ濡れています。

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急登が一区切りすると、ところどころに小さな池が出てきます。
霧も出てきて幻想的な雰囲気に。
水たまりにぼちゃんしないように気をつけながら進みました。

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長塀山を越えて、尾根づたいに標高を上げていくと樹林帯が終わり視界がひらけてきました。
ん?あれ?
ずっと雨と霧だったので期待していなかったんですが、なんか展望が開けてきたぞ。

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おお!おおおー!空が開けてきたー!山が見えてきたー!
これはもしや、展望が開けるのか!
アルプスの稜線を、大展望を見ながら走れるのか!!!

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やっほー!蝶ヶ岳山頂に到着!
う、嬉しさが抑えられませんw
雨がやんでくれたら御の字、くらいに思っていたので、
まさかの展望に興奮。

近くにいた登山者の方に聞くと、
「昨日からずっと雨で、やっと今はじめて展望が見えたんですよ」
とのこと。

「これから上高地に降りるんですが、もったいないので展望を少し楽しんでから下ります」
と仰っていました。

そんなタイミングで稜線に上がって来られたなんて、なんてラッキーなんでしょう。
ああ、来てよかった。。。

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さあ、ここから、北アルプス稜線の縦走の開始です。
槍ヶ岳も見えてきた!やばい!
ここから見えるこの稜線を、ずっと伝っていきます〜。

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ということで、今回のルートをここでご紹介します。

上高地からスタートして、長塀尾根からまずは蝶ヶ岳に。
そこから常念、大天井を越えて、できれば西岳まで行って宿泊。(これは後で出てきますができませんでした)
これが1日目。

2日目は東鎌尾根から槍ヶ岳に登り、
そこから難関コースの大キレットを越えて北穂高
さらに奥穂高岳を越えて、吊尾根から岳沢を下り、再び上高地へ。

という、1泊2日で上高地からぐるーーーっと、反時計回りに回ってくるコースです。
今まで行ったことがあるのは、西鎌尾根からの槍ヶ岳と、涸沢カールからの奥穂高岳だけ。

その2座はピンポイントで通りますが、稜線はほぼ全てはじめて通るルートだらけ。
北アルプスの名峰を巡るルートを、めいっぱい回ろう、という欲張りルートです。

キレット涸沢岳の岩場は、険しい岩場が続く難所。
昔から、「いつかは行ってみたい」と思っていましたが、行けていませんでした。

山岳部出身の両親が、「あんなとこよう行かん」と言っているのを、子どもの頃から聞いていて、
一般人が手を出してはいけない場所、という印象でした。

でも、2年前に裏銀座を縦走した時に、槍ヶ岳に登頂を果たしつつ、
穂高に続く稜線の姿を見て、
「次に来るときには、槍穂の縦走に挑戦したい」と思っていました。

自分でも行けるのだろうか、という不安がありましたが、
いろいろな方の記録を読み、経験者に話を聞いて、行ってみることにしました。

そんな憧れのルートに、いよいよ挑戦です。

ただ、スタートからすでに2時間遅れ。(寝てたのが悪いんですがw)
そもそも激しいコース設定なのに、本当にたどり着けるのか。

今回は治りかけの膝のこともありましたし、絶対に無理はせず、
難しそうだと思ったらすぐに下山する、という作戦で、
「行けるだけ行くけど、キレット越えられたらラッキーだな」、
くらいの気持ちで挑みました。

入山するときは、とにかく無事に帰って来られること、を山に祈りました。

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ということで、進み始めた稜線ですが、
もう、景色が最高です。

槍ヶ岳に続いて、穂高岳もしだいに見えてきました。

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まさに天空の散歩道、というような絶景の中を進み、蝶槍を通過。

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振り返ると蝶ヶ岳が霧に隠れたり現れたり。
東側からは霧が上がり続けています。

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次に目の前に現れるのは常念岳
一度下って、結構な標高差を登り返します。
近づくと、なかなかの迫力。

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この岩がちで急な稜線を登っていきます。

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えっさ、ほいさ、えっさ、ほいさ。
興奮で軽快に進んできましたが、急な登りに少し疲れを感じ始めました。
たまに立ち止まって息を整えつつ、登っていきます。

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そして常念岳に到着!
縦走のアップダウンなんて、大したことない、と舐めていてはいけません。
大したことありました(笑)。
標高差400mくらいでしたが、空気が薄いのもあるのか、
この日はこの登りが一番しんどく感じました。

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頂上からは槍穂が一望!
すごい!
やっほーーーーーーー!

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頂上で一服したら、また先へ進みます。
北には大天井岳が見えてきました。
少なくとも今日あそこまでは辿り着きたい。

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鞍部まで下ると、常念小屋に到着。
下り道では、常念小屋に宿泊予定の空荷の方々とたくさんすれ違いました。

もうすでに今日の宿に辿り着いている人もいる時間なんですね。
でもまだ行きますよ。

まずは小屋で腹ごしらえ。
温かいラーメンに、冷たいジュース。
こういうのを要所要所で頂けるおかげで、こんな格好で山を楽しめてます。

さてここで、今日の宿のことが少し気になっていたので、
小屋の方に「ヒュッテ西岳は何時までにたどり着けば、夕飯を頂けますか」と聞きました。

すると、という衝撃の回答が!

「西岳さんの営業は昨日で終わりましたよ」

がーーん。えええー!

ということは、今日はその手前の大天井岳で宿泊するしかなさそうです。
ただでさえ厳しい行程だったのに、明日のキレット越えは厳しいかな、という情勢になってきました。
まあ仕方がない。

ひとまず、進むだけです。
あとはもう、なるようになる。
もう、あれこれ特に考えない(笑)。

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腹ごしらえしたら、小屋をあとにして大天井岳を目指します。
このあたり、傾斜もなだらかで歩きやすかったです。
小走りくらいはしてたかな。

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もはや、「晴れ」と言うべき天気になってきました。
「そういえば日焼け止め塗るのも持ってくるのも忘れたわ」と、
急に日焼けのことが気になり始めました。
(結果的に、次の週会社で「顔真っ赤じゃないですか!こんな季節にどうしたんですか!」と言われる羽目に)

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ちょっと分かりづらいですけど、途中でお猿さんの大群に遭遇。
3,40匹くらいいました。
こんな高いところまで来るんですね〜。
家族連れの登山客がいて、子どもたちがキャーキャー言って喜んでました。
猿も面白かったですけど、楽しそうな家族も良かったです。

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東天井岳付近は、ハイマツの緑がきれいでした。
西日に映えますね。

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そして大天井岳へ。
あと少し登れば、今日最後の大きなピークです。

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見えた!
大天荘!
大天井岳

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なんかほっとします。

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そのまま荷物を置いて、大天井岳頂上をピストン。

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これから進む、槍ヶ岳へ続く稜線。
槍ヶ岳の手前で、一度結構下がるんですね。(しんどそうですw)

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燕岳から連なる表銀座コース。
燕岳もいつか行ってみたいです。

大天荘で、念のためもう一度聞いてみましたが、
やっぱり「西岳は昨日で営業終わりました」とのこと。
行けるところまで行こう、ということで、大天井ヒュッテまで下って初日に行程を終えました。

明日の行程を考えると、ちょっと厳しくなってしまいましたが、
まあ、2時間早く出ていたとしても、さすがにヒュッテ大槍まで行くのは難しかったでしょうし、
ということは、いずれにしても今日はここまでだったということ。

きちんと進めるところまでは進めたので良かった良かった。

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ということで、乾杯!
山よ、ありがとう!
うまっ!

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晩御飯も、いただきます!
標高2700mで、トンカツ!!
うまーっ!

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食事後に、山小屋のご主人が、夕陽鑑賞ツアーに連れて行ってくださいました。
ヒュッテから標高差130mほど登った「牛首展望台」へ。
同宿の皆さんと一緒に夕陽を見に行きました。

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みんなで歩いて、おしゃべりして、なんだか楽しいです。

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そして、この絶景。
太陽さん、今日もありがとう!
こんな景色を見せてくれてありがとう!

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太陽が沈んでも、空が色づきなかなか離れられません。

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こんな時間に、こんな場所で、大空と山を見上げている。
宇宙もすぐそこ。

人間って小さいな。
山って大きいな。
空って広いな。

でも、人間もやっぱり、すごいよな。

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宿に戻って空を見上げると、月が輝いていました。

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夜が深くなると、満天の星空に!
こんな星空を見たの、いつぶりかな。

翌日に備えて、夜の7時には寝ました。

明日は、ヒュッテの朝ごはんを頂いたらすぐに出発して、行けるところまで行く。
もしも天気が良くて、岩が乾いていて、風もそんなに強くなくて、そして時間に余裕があれば、キレットに挑戦する。
そのどれかが整わなかったら、潔く、下りる。
そう計画を決めました。

すぐに眠りについたものの、
本当に行けるのだろうか、
明日はどうなるのだろうか、
不安や興奮からか、何度も目が覚めました。

考えていても仕方がないので、また眠ります。
さてさて明日は、どんな1日になるでしょうか。

(後半に続く)