滋賀県一周トレイルに挑戦!その8(完結編)

鈴鹿山脈北部(2017.6.2)

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滋賀県一周トレイルも残すところ鈴鹿山脈のみ。距離は約60km。
頑張れば一気に行けなくもない距離です。ただし、霊仙山から御池岳の間には、道がない区間もあり、鈴鹿山脈は1000mを越える峰が何度もつながるなかなかハードなコース。さすがに朝から夕方までの明るい時間だけで行くのは難しそうです。

そこで最後は、夜10時からスタートして、翌日の明るい時間にゴールを目指すことに。
ちょうど翌月にアンドラでAndorra Ultra TrailのMiticに出場するのですが、このレースのスタート時間が夜10時。その予行練習も兼ねて、10時からスタートすることにしました。

問題はパートナー。さすがに一人で夜通し歩くのは気がひけるので、誰かと一緒に行けたら良いのですが、こんなおかしな活動に付き合ってくれる人なんかいるのか。

と、思っていたら、同じく滋賀県一周を目指している西さんが名乗りを上げてくれました。しかも、翌日予定があるのに、夜のパートだけ付き合ってくれるとのこと。ありがたすぎます。

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ということで、2人で金曜日は仕事をして、そのまま移動して滋賀県柏原駅に集合し、鈴鹿山脈へスタート!

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登山口は真っ暗です。熊注意って書いてます。

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夜道を進みます。腰のライトがなかなか良い具合です。

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大垣方面の夜景が見えました。

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途中の写真は全然ありませんが、2時間半ほどで霊仙山に登頂。
風が強く、寒い!止まると凍えてしまいそうなので、小屋で少し休んだだけで、すぐ引き返します。
このあたり、晴れたらカルストの美しい展望が広がるんですが、辺りはガスで、道がかなりわかりにくかったです。

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霊仙山山頂から少し引き返し、県境稜線を南下します。ここからが、地図上に道がない区間(赤の矢印)。
さて、どんな道が待っているのか。

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進んでみると、明確な道はないものの、たまにテープもあり、ヤブ漕ぎというほどのヤブもなく歩きやすい稜線。
これなら登山道と変わらないスピードで進めそうです。

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夜の区間は、ほとんど写真が無いですが、細かいアップダウンを何度も繰り返しているうちに、空が明るくなってきました。

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朝が来たよー!

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まだまだ、小さいアップダウンが続きます。登りが毎度、なかなか急登で苦労します。(一体何度登ったかw)
このあたりが、特に展望もなく、何度もきつい登りを繰り返して一番きつかった気がします。

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ようやく三国岳に到着!
ここまで来ると、道がかなりはっきりしてきました。
三国岳は2つピークがあって、両方看板がおいてありましたが、どちらかというと南ピークのほうが標高が高くてメインのようでした。

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しばらく進むと、北に鈴北岳が見えてきます(雲の中ですが)。
あそこまでいくどー。

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養老山脈方面を見下ろしつつ、鞍掛峠に到着。
時間的には、少し予定より遅れていましたが、西さんは鈴北岳まで行って、そこで滋賀県側に下ることになりました。

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展望の開けた道を登って行くと、鈴北岳に到着!
ガスで景色は見えないですが、とりあえず難関区間クリアです。おつかれさま!

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ここで西さんとはお別れ。西さんは多賀大社まで走るそうです。(それもすごいです)
西さんありがとう!おかげで、夜の区間、眠くもならず、心細くもならず、走り通せました。
西さんもぜひ、一周完結させてくださいね。

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ここから先の御池岳山頂近辺は、カルスト地形の広がる独特の台地。
幻想的な霧の中を進みます。

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しばらく行くと、霧が晴れてきました。
ドリーネ、ウバーレ、カレンフェルト、とか、習いましたよね。カルスト地形。
この、小さい池みたいにくぼんでいるのはなんだっけな。ドリーネ?

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御池岳付近、雰囲気のある森が広がります。
山頂の眺望はありませんが、高度感はたっぷり。厳しい自然を感じます。

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苔の生した味のある道を、天ケ平まで下り、白船峠経由で藤原岳方面へ進みます。

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気持ちのよい風が吹き、爽快。
御池岳と藤原岳の間のこの区間は、鈴鹿セブンマウンテンから外れていますが、これだけ気持ちのよい道はぜひ仲間に入れたほうが良い気がします。御池岳も入れて、エイトマウンテンにすべきですねw。

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藤原岳が近づくと、再びカルストっぽい草原に。登山客も増えてきました。

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藤原山荘を越え、しばらく登ると藤原岳山頂。
天気もよく、たくさんの方がお昼ごはんを食べていました。

ただ、ここから南下して稜線を進む人は誰もおらず。再び一人で治田峠方面に降りていきます。

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このあたり、以前はほとんど道がなかった印象があるのですが、今はしっかり踏み跡もあって、途中に看板も立っており、ほとんど通常ルートと言っても良いくらいの道になっていました。

鈴鹿セブンマウンテンを歩く人が増えているんでしょうか。

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治田峠を越えて、銚子岳、静ヶ岳の分岐を越えていきます。
振り返ると、さきほど越えてきた藤原岳が向こう側に。セメント工場で削り取られた山肌が、おでこみたいになってます。

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宇賀渓から登ってくる遠足尾根と合流すると、竜ヶ岳山頂手前の絶景区間に。
鈴鹿山脈の中でも、特に人気の高い区間です。

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いやあー、気持ちがいい。

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ここまで歩いてきた山々もくっきり。
御池岳、藤原岳、治田峠、銚子岳、静ヶ岳と連なっています。
御池岳と藤原岳は、こうして見ると近く見えますね。

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笹の原を登って行くと、竜ヶ岳頂上に到着。

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頂上からは、三重県と伊勢湾が見下ろせました。実家ももうすぐです。

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南方向には、鈴鹿山脈のこの先の山々が。この後通る釈迦ヶ岳の向こうに、御在所岳や雨乞岳が見えます。

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滋賀県側を臨むと、琵琶湖の向こうに、比叡山や比良山、そして高島の山々まで。
今回の、滋賀県一周トレイルの旅で通ってきた山々が、一番たくさん見渡せました。
最後を飾るにふさわしい眺望です。
残すは釈迦ヶ岳、あと一座。

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石榑峠に、両親にサポートに来てもらい、補給。
今日はじめての水分補給です。助かりました。
べちゃくちゃしゃべっているうちに、1時間近くのんびりしてしまい、そろそろ行くかと釈迦ヶ岳に向けて出発。

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石榑峠から釈迦ヶ岳に至る稜線。下界から見上げていると、なだらかに見えるので、それほど険しい道ではないと思っていたのですが、思いの外激しめ。小さいけど急坂のアップダウンが続きます。

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三池岳、八風峠、中峠を越えて、じわじわ上っていきます。
竜ヶ岳のように眺望があると、テンションも上がって眠気は感じなかったのですが、ここに来て地味な釈迦ヶ岳の道が、眠かった。
なかなかつかないなあ、と思いながら上っていき、ようやく釈迦ヶ岳に到着!

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ハト峰まで進み、朝明渓谷に下りました。
本当は、国見岳まで登れば、稜線上で一周をつなぐことができたのですが、もう一度登り返す気になりませんでした。
ログを見ると、ここだけ鈴鹿山脈の稜線から外れていますが、そこはご愛嬌w。

朝明ヒュッテの入り口で、南回りで回ってきた道と合流。滋賀県一周トレイルが、ここで完結です!
そこで、登山客の方にお願いして写真を撮ってもらい、少し話していたら、近くにいた管理人さんが近寄って来ました。
話してみると、なんと父の同級生とのこと。さらに話をしていると、今は高校の山岳競技の東海大会の準備中とのことで、高校時代の恩師、萩先生ももうすぐ来られるとのこと。
(僕は高校時代、三重県の高校でワンダーフォーゲル部に属し、山岳競技に出ていました)

しばらく待つと、萩先生も山から降りてきて再会。なんと、20年ぶりくらいの再会です。
旅の終わりに驚きの出会いでした。
萩先生たちに山の楽しみを教わり、こうやって今も、山を走っているんですよ、と伝えられたのがうれしかったです。

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ここから家まで、10kmほどロードを走って、実家に到着。
北回りの実家への帰省も完結しました。
いやあ、長かった。

この日の行程は、距離68.6km、累積4626m。
20時間ほど走り続けて、夕方6時ころに到着しました。

前日10時に出発して、かなり時間には余裕をみていたのですが、最後はいろいろあって結局日没間近になりました。
故郷と懐しい出会いを味わいながらのゴール、感慨深かったです。


滋賀県一周トレイルを走り終えてみて

以上が、僕が滋賀県を、トレイルで一周した記録です。

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全長475km。累積標高25,899m。全部で11日間かかりました。

最初に構想してから2年。2015年11月に南回りで三重県まで走った後、ずっと塩漬けになっていましたが、2017年5月から6月にかけて、一気に北側を回り、踏破することができました。

コースは、現状ではほぼ理想的なコースを辿れたと思いますが、強いて心残りな部分を上げれば、余呉・奥伊吹エリアです。道が荒れていたり、道がない区間が多く、なかなか県境稜線を辿ることができませんでしたが、残雪期にスノーシューなどを使えば、より完全に近い一周コースを辿れるかも知れません。(または、これからトレイルが整備されることもあるかも知れませんね。)

新しい道を踏破して思うのは、「行けば行ける」ということです。長い道のりを思うと、「本当に行けるんだろうか」という不安を感じます。実際に出発前には、どんな道が待っているのだろう、自分の体は持つんだろうか、と不安でした。
しかし、1日1日、山道を30−40kmを走るのは、それぞれそれほど難しいことではありません。特定の1日を取り出して、「ここはどうしても無理だった」というような道は特にありませんでした。(厳しいヤブ漕ぎは多少ありましたが笑)

だから、実際に走ってみると、何か特別なことをやり遂げた、という気はあまりしません。
ただ、どちらかというと、走り始めること、走り続けることが難しいのかな、と思います。体力面や、精神面もあると思いますが、連続で休みを取ったり、サポートをしてもらう人を見つけたり、一緒に行ってくれる人を見つける方が難しいという気がしました。

そういう意味では、これって起業にも似ているかも、と思いました。会社作るのも、最初が勢いが要りますけど、いざ走り始めてしまったら、あとはもう、進むしか無い、みたいなところがあります。

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1周してみて、一番嬉しかったのは、地図を見て、自分が走った道のりが、滋賀県をぐるっと一周つながったことです。
Stravaのヒートマップも、きれいに琵琶湖の回りがつながりました。うれしいですよね?

それがどうしたんだ、と言われたら、もうどうしようもありません笑。地図の上の線をつなげることに何の意味があるのか、と問われたら、「つなげてみたかったから」としか言いようがないですw。

でも、ぐるっと一周、って、なにか良いですよね。一周つながるんです。ぐるっと。回ってまた戻ってくるんです。楽しいですよね。

滋賀県をぐるっとつなげたら面白そうだな」。

そんな素朴な楽しみを思いついた人間の、11日に及ぶ遊びの記録でした。
長い文章にお付き合い頂き、ありがとうございました。

もしも、一周に挑戦される方がいらっしゃったら、ぜひコメント欄などでご連絡頂けたらうれしいです。
「一周って楽しいですよね!」って、語り合いましょう。

ありがとうございました。

(完)

滋賀県一周トレイルに挑戦!その7

奥伊吹の山々へ(2017.5.26)

いよいよ奥伊吹の山々へ。ここは滋賀県一周の中でも、特別山深いエリア。道も整備されておらず、熊もよく出るそうです。一周コースの中でも、一番の難関区間と言えるでしょう。

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昨日進めておいた、横山岳の登山口から、西尾根に入ります。

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ここはよく整備された道。

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高度を上げていくと、周りの山々が見渡せるようになってきます。さすがに、山が大きい。

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1時間半ほどで横山岳に到着。順調です。

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さて、ここからが問題の区間。今回の計画では、このように、横山岳を過ぎたところから北の稜線に入り、そのまま県境稜線に出て土蔵岳、八草峠を経て、金糞岳に向かうルートを考えていました。

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一応ヤマレコには、このルートを歩いた記録が上がっているのですが、さて、道はあるのかどうか。

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どきどきしながら、東尾根を分岐点まで向かいます。

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地図的には、分岐点はここ!え!?こ、こ、これは。。w
ご覧のとおり、道も何もない、ただのヤブですw。うーむ、やっぱりそうでしたか。。
ひとまず、これを見ただけで諦めるのもなんなので、このヤブをしばらく進んでみることに。
それで、どれくらい進みやすいか確認してみてから、ルートを変更するかどうか考えることに。

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ヤブです。木が多くて進みにくいです。

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やっぱりヤブです。

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にょほー。いけどもいけども、木が立ちはだかって、なかなか進まないです。

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ヤブ漕ぎしながら500mほど進んでみたんですが、500m進むのに20分かかりました。ということは、1km40分。
どこから登山道が再び現れるのか分かりませんが、仮に土蔵岳まで道がないとすると、そこまで約7km。約8時間。
さらに、土蔵岳を下る途中から八草峠に向かう道も怪しいので、そこも考えると、八草峠まで辿り着くだけで一日が終わってしまいそうです。
それでもまだ、たどり着ければ良いですが、もし仮に途中で何かあっても、そう簡単には助けに来てもらうこともできません。
(そもそも、これを「滋賀県一周トレイルコースです」と提示したところで、後から続く人にとてもおすすめできるルートではありませんし)

さすがに一人でこれに突っ込むのは危険だし、引き返すことにしました。
横山岳から、東尾根コースを一度下まで降りて、八草峠から再び県境稜線に登り返すコースに変更です。

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東尾根コースもよく整備された歩きやすい道でした。

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ほどなくして、林道の入口に到着。

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しばらく国道303号の旧道を走り、旧峠道の分岐地点へ。ここにゲートが有り、ここから先は車は入れません。

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八草峠の旧道を峠に向けて登ります。ここは昔サイクリングで走りに来たことがあります。まさかまた、足で歩くことになるなんてね。

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八草峠に到着。結構峠道は長かったです。
ここまで自転車でバトルしたときのことを思い出しました。

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八草峠からしばらくは、ダートの林道を登っていきます。このあたりはまだ、道があって進みやすかった。

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問題はこの、林道が終わって、県境稜線に入っていく部分。
地図ではこのように、999mピークの少し後に、林道と稜線か接近する部分があり、その後林道は稜線から離れてしまうので、ここで稜線に取り付くのが良さそうです。
が、実際に行ってみると、なかなか稜線に入れる場所がありません。仕方がないので、崖を無理やりよじ登って稜線に出てみるも。。

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ヤブ!出た、またしても。

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さっきの横山岳の時にもまして、激しいヤブです。木の密度がすごい。

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進まねー!
木をかき分けながら、奮闘している間に、いつの間にかストックを片方落としていました。
気づいてまた戻ってストックを探したりしているうちに(なんと見つかりました!)、ここでも随分時間がかかり、1.5km進むのに1時間かかりました。

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1085mピークを過ぎたあたりから、少しテープが出てきたりして歩きやすくなりました。

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もしかしたら、林道終点まで行って、そこから登るルートがあったのかもしれません。(先ほどの地図の下の矢印)(あくまでもしかしたら、ですw)

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1161mピークで金糞岳の登山道と合流すると、一気に歩きやすくなります。ここまでたどり着けば一安心。あー、よかったー。

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稜線を歩いていくと、次第に展望が開けてきます。

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絶景区間!道も良くて最高!

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しばらく進むと、白倉岳に到着!
この山を単独峰と見るかどうかは微妙なところだと思いますが、1270mは金糞岳に次ぐ高さ。単独峰として数えたら、滋賀県第3位の高峰ですね。

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その後も気持ちの良い稜線を進んで、

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金糞岳に到着!道もいいので気分が良いです。

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さて、ここからがまた難問。鳥越峠から先をどう進むか。
もともとの計画では、金糞岳から下ってきて、県境稜線を鳥越峠に降りる予定でした。しかし、そんな道はありませんでした。
仕方なく、2.のルートで峠から数キロ下の舗装道に。

ここで一旦、車で鳥越峠に移動して、峠付近の様子を偵察。
1.や3.のルートが、どれくらい道があるのか見に行きました。
行ってみると、1と3の分岐までは道があり、その後も、両方の方向にテープが巻かれていて、そこそこ進めそうな感じでした。(少なくともさっきのヤブ漕ぎ区間よりはずっとまし)
こちらはもしや、先に進めるのかもしれません。
が、少なくとも今日に限っては、もう時間が足りません。今日のところは、2.の先の金糞岳登山道を下り、下に降りることにします。

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金糞岳の中津尾根コースを下って、登山口に到着。
明日、もし七廻峠からスタートするとしたら、ここまで戻ってこなくて良いように、ロードを5km、峠の入口まで走ってこの日は終了。
距離44km、累積2667mの行程になりました。
途中なんどもヤブ漕ぎがあり、やはり厳しい一日になりました。


奥伊吹2日目(2017.5.27)

鳥越峠から続く県境稜線が、思いの外進めそうな道だったので、もしかして県境稜線をずっと伊吹山まで進めるのかもしれない、と思い、facebookで、「鳥越峠から伊吹山って、歩けますか?」と情報を求めてみました。

そうしたらなんと、母から、「昔伊吹山から金糞岳まで、県境を縦走したことがあるよ。道があったと思うけど。」という連絡が。まさかの母親からw。
そう、母は大学時代にワンゲル部だったんです。それにしても、血は争えないですねw。
ちゃんと道はあったと言うのですが、「ただし、50年前だけどね!」だって。あてにならんー。

それで、引き続きfacebookで情報を求めていたところ、なんとお二方から有用な情報が。

赤井宏充さんからは、

詳しい人に聞きました。数年前に道は消滅、今は歩くのも結構大変で前に遭難して死んでるから やめた方がいいそうです。 行くなら国見峠?

とのこと。そして、新田康昭さんから、

はじめまして。(中略)
私が所属している山岳会が以前に県境踏査をしており、ブンゲン~虎子山はかなりの藪漕ぎとの記録が残っています。今回近藤さんの挑戦を知り、この踏査記録を読んでいるうちに湖北の山に行ってみたくなりました。報告楽しみにしています。

とのこと。やっぱりこういう情報をご存じの方がいらっしゃるんですね。そしてすごいです、facebook。情報を拡散してくださった方にも感謝。
これは諦めたほうが良さそうですね。前日のこともあるし。

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諦めもついたので、安全目に国見峠から伊吹山北稜線に入るルートで進むことにしました。
ロードが長いですが、ヤブ漕ぎばかりしていると、たまにこういうのもありがたく感じます(笑)。

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昨日走っておいたのも無駄にならず、朝一番でロードの七廻峠を越え、国見峠に。こちらも長いロード。朝から16kmくらいロードが続きます。

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国見峠もサイクリングで何度か来たことがあります。まさか走ることになるとはねw。そして、長いこともよく知っています。

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しばらく登っていくと、右に伊吹山が見えてきます。そんなに遠くないです。

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16km走って、ようやく国見峠到着。ふう。

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ここから伊吹山北尾根縦走路に入ります。人気のコースだけあって、歩きやすい雰囲気の良い道。楽しい。

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国見岳から始まり、小さい山が、3つか4つ続きます。登山者の方も何組もいらっしゃいました。

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途中に、登山道についての解説が。3年間で1000人以上の方々が尽力され、道を開いたとのこと。そんなに大変だったんだ。
なんだか、「道がある」って、すごいことなんだな、と思いました。

今回の旅は、常に「道があるかどうか」を探りながらの旅でした。普段、道があるって当たり前のことに思っているけど、実はそんなに当たり前のことじゃない。

たとえ50年前に道があっても、誰も通らなくなれば道が朽ちてしまって、遭難者が出るような状態になってしまうこともある。
そうかと思えば、1000人もの人が道を開いて、登山者に愛される道になることもある。

昔は集落の人々が買い物に行くために通る峠道だったものが、自動車道ができて朽ちてしまうこともある。
トレイルランのレースを開催するために、整備される道もある。
地元の人たちに愛されて、子どもたちが遠足で登る道がある。

道があるってことは、そこにまず、人の思いがある。それから、道が道で有り続けるだけ、人が通っているということ。
その思いや理由はさまざまだけど、「人間の思いと行動」がある程度蓄積していないと、道にはならない。
そういうことを感じた旅でした。

普段何気なく通っている道だけど、そこにどうして道があるのか、これからはもう少し感じられるようになりそうです。

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御座峰を越えると、さらに伊吹山が近づいてきます。
花を前景に写真を撮りましたが、ちょっとイメージと違いましたw。

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ピークはあと1つかな。振り返ると、ここまで越えてきたピークがぽこぽこ並んでます。

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最後のピークを超えると、伊吹山へ。

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山頂付近は、風が吹いてきて寒かったです。

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そして伊吹山登頂!滋賀県最高峰。今回の一周コースでも最高峰です。
いやあ、なんだかたどり着いた感があります。

8日前から歩き続けてきましたが、日程の都合で、一旦今日で中断することにしました。
だから、ひとまずこの8日間では、ここが最後のピーク。そして最高峰。ようやくここまで来ました。
達成感、顔に出てますね。

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頂上はガスガスだったんですが、しばらく下っていくとガスが晴れてきました。

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おおおー!琵琶湖が見える。鈴鹿山脈も見える。(この後は、あの山に行くんですね〜)

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気持ちいいっす。

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登山客や、こどもたちもたくさん。賑やかな山です。景色も良くてよかったね。

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鈴鹿山脈の入り口、柏原駅まで走って終了。
全長450kmの滋賀県一周トレイルのうち、これで390kmくらい踏破しました。
残すは、鈴鹿山脈の北半分。60kmほどの道のりだけ。

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最後の区間を残して、一旦家に帰ります。
8日間、連続で走り続けましたが、なんとかここまで来れました。

最初は毎日疲労が溜まっていって、「続けられるのかな?」と思いました。
5日目くらいに、「もう帰りたい」って一番思ったんですが、そのあたりがボトムでした。
そこからだんだん身体が慣れてきたのか、毎朝同じような感じで迎えられるようになってきた気がします。

後半は、まるで仕事に行くみたいに、「さあ、今日もやるか」という気分で走り始め、淡々と一日走って終わる、というサイクルをこなせるようになりました。

途中で道が無かったり、怪しい区間が多く、それが一番苦労しましたが、道があるってどういうことか、自然と人間の関わりについて、感じられる旅になりました。

奥伊吹エリアでは、計画通りに進むことができず、心残りな区間もありますが、それでも主要な山々には登ることができて、現時点ではこれがベストコースではないかと思います。

この思いが途切れないうちに、近く最後の鈴鹿山脈区間を踏破して、滋賀県一周を完成させたい、という思いを胸に、家に帰りました。(つづく)