Andorra Ultra Trail Mític 112km(その1)

Andorra Ultra Trailにエントリー

トレイルランを始めたら、誰もが憧れるウルトラトレイル。
100km以上のウルトラトレイルを、いつか完走したい!って思いますよね。

NHKで放映された、UTMB、UTMF、そしてTJAR。どれもこれも、100マイルとか、400kmとか、とんでもない距離を走り続けるレースです。「こんな距離を走り通す人がいるなんて信じられない」と最初は思うものの、少しずつ自分の距離を伸ばしていくと、「もしかして、自分にも出来るかも?」という気持ちが少しずつ増えていき、いつしか「必ず挑戦したい」という気持ちに変わっていきます。

100マイルレースに挑戦する多くの人が、そういう変遷を辿っているのではないでしょうか。
かくいう私もその一人。だから、100マイルレース、必ずどこかで完走したいと思っています。

でもその前に、まずは100kmくらいのレースに挑戦しよう。
そう思っていた2015年末、Andorra Ultra TrailのMíticに、ポイントを持っていなくてもエントリーできることを知りました。
しばらく迷ったあと、思い切ってエントリー。

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出典:DogsorCaravan

ちょうど、山本健一さんが挑戦したアンドラの映像を見て、「こんなところを走ってみたい」と思っていたこともあり、えいや!、と2016年大会にエントリーしてみました。

しかし、7月が近づくにつれ、足の痛みがひどくなり、最後は疲労骨折。2ヶ月ほど走れない状態が続き、アンドラ行きも夢と消えました。憧れが強かった分、走れない時期は辛かったです。
まだウルトラは、自分には早すぎたんだ、と思いました。

それから1年。今年こそ、どこかで100km越えのレースに挑戦したい、という気持ちはあったものの、なんとなく昨年ほどの気合いも入らずにシーズンが近付いていました。どこかで、「自分にはまだ難しいのではないか」と、自信をなくしていたようにも思います。

そんな時に、丹羽薫さんが、三重県まで100km走るトレーニングに誘ってくれました。当初は、70kmくらいでリタイアしよう、と思って臨みましたが、丹羽さんたちの励ましもあり、100km完走することができました。

これが自信になりました。できる。できると思えば、できる。そろそろ挑戦しても良いのかも。
単純に100km走れただけじゃなくて、丹羽さんに誘われた気がしました。そろそろ100km超えの世界においでよ、と。

同じ職場の二宮さんは、サンディエゴの100マイルに挑戦すると言い始めました。これも刺激になりました。
そうか、いよいよ二宮さんも100マイルか。僕もそろそろじゃないかな。

丹羽さんと100km走った数日後に、Andorra Ultra Trailのツアーを主催している久保さんに、「まだ間に合いますか?」と問合せしていました。
そうしたら、「Míticのエントリーはラストの枠。スタート地点横の宿舎も最後の部屋が空いている」とのこと。本当にギリギリのタイミングで、エントリーすることができました。これも何かの運命だと感じました。

1年前に怪我で断念したアンドラに、今度こそ体調を整えて挑むことにしました。

トレーニング!そして・・・

出ると決めたからには、距離を走り込まないといけません。
週末に走るトレイルの距離を徐々に伸ばし、40-50kmを走ることも増やしていきました。丹羽さんにも何度か連れて行ってもらいました。
三河70kmを完走し、レースの過去最高距離を更新。
比叡山50kmでもベストを30分ほど更新。
滋賀県一周トレイルで、1週間以上走り続け、ストックを使って山を登ることにも慣れていきました。

順調に身体を鍛えてきて、6月中旬、仕上げの南アルプス合宿に参加しました。
丹羽さんからお声がけ頂いて、八ヶ岳南アルプスで高山になれる練習をすることに。
ここで、3000m級の山に登る練習もすれば、準備としてはばっちり、と思っていました。

初日、金曜日の夜から徹夜でドライブし、八ヶ岳の麓で仮眠を取ったあと、編笠山権現岳へ。
車中で仮眠して夜を明かすのは実は初めてだったので、なかなかうまく眠れず、睡眠不足のまま八ヶ岳へ。
編笠山権現岳頂上付近でドローンを飛ばし、なんとか映像撮影もうまくいきました。

権現岳からの下り、長い長い下り道。丹羽さんを先頭に、前を行く3人を追いかけて下っていくのですが、ここでだんだん集中力が切れてきました。車中泊、ドローンといろいろあって、疲れが出てきたのかも知れません。
意識がぼんやりしていたところで、変なつまづき方をして軽くこけてしまいました。

「いてっ」という感じで尻餅をつきましたが、まあ、そこまでおかしなこけ方をしたとも思わなかったので、すぐに立ち上がって走り始めました。

後ろから追いついてきた久保さんが、「大丈夫ですか?」「テーピングしますか?」と心配して声をかけてくれますが、「大丈夫です」と言ってついていきました。

ところが、どうも左足のかかとに痛みがあって、足を伸ばすと痛みます。どうにもスピードが出ません。
「おかしいな?」と思いながらも、しばらく走っていれば治るだろう、と思ってそのまま一番下まで下りますが、その後もうまくついていけません。
皆さんを待たせてしまい、丹羽さんからは、「やめておいたほうが良いですよ」と言われ、そこで合宿を降りました。
2日間走るつもりで参加したのですが、結局1日目の途中で離脱。2日目も足が腫れて走ることはできず。

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京都に戻って大槻さんに診てもらったら、かかとの骨が骨折していました。
まさか。。。
ヒビが入った骨が写ったMRIの写真を見ながら、途方に暮れました。また去年の二の舞になるの???

骨折した骨は、普通の人には無い骨でした。
僕のかかとは、少年時代(おそらく中学陸上部時代)に剥離骨折をしたらしく、普通は存在しない骨の塊が存在しています。
この骨が、上下の骨に挟まれて骨折したとのこと。
だから、昨年の大腿骨のように、折れたらどうしようもない、という骨ではないのですが、骨折は骨折。
「普通に考えたら、痛みが引くまでには2ヶ月はかかるでしょう。たとえ歩けたとしても、アンドラのように激しい道のりだと、どうしても痛みが出る角度に足首を曲げると思うから、出場はかなり厳しいと思います」と大槻さん。

終わった。。。

なんかもう、悲しいとか悔しいとか通り越して、ぼーっとしてしまいました。
「へえ。そうなんだ。」みたいな。
その辺は、前回よりは落ち着いていました。

そこから、あまり骨折のことを考えずに、なるべく普通に生活していました。
なんとなく、普通に生活していたら、普通に歩けるようになるんじゃないか、という気もして。
というか、考えても骨が治るわけじゃないし。
普通に朝起きて、普通に階段を下り、普通に歩いて会社に行く。
そういう日常の行為を淡々と続けていました。
そうしたら、段々そういう日常の行為が順番にできるようになっていきました。

思いの外、回復が早く、歩けるようになってきたので、「これはもしかすると、行ける可能性もあるんじゃないか」と思いました。
本来は、海外ツアーのチケットをキャンセルするのであれば、早めにキャンセルしないといけなかったのですが、しなかった。
今回ばかりは、行けるはずだ、とどこかで思いたい自分がいました。

まずは自転車でトレーニングを再開して、骨折1週間後に、100km以上走れるようになりました。
骨折から10日後に、恐る恐る平地をランニング。9km走れました。
12日後には、トレイルを12kmランニング。少し違和感はありますが、トレイルも走れました。
骨折から15日後、一か八か、比叡山でトレーニング。長い上りを3回ほど登り、36km走れました。本当はトレーニングをせずに、回復に専念したほうが良いのかもしれませんが、ゆっくり歩きながら上って、これだけ登れたら、当日自信を持ってスタートラインに立てると思った。1回だけ、それを確認しておきたかった。そうしたら登れた。いける。これはいける。

アンドラの厳しい道程を、110kmも走ったら、途中で足がどうなるかは分かりませんが、少なくとも最初から棄権するほどではない。少なくともスタートラインには立って、行けるところまで行ってみよう。

そう決めて、アンドラ行きの飛行機に乗りました。
最後に比叡山を走ったのは、本番の6日前でした。(ちょっと直前過ぎたかもしれません)

アンドラ入り

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アンドラというのはここ。スペインとフランスの国境、ピレネー山脈の中にある、「アンドラ公国」という小さい独立国です。468km2しか面積がなく、金沢市と同じくらいらしいです。バルセロナからバスで4時間くらいでたどり着きます。

今回のアンドラは、フィールズオンアースのツアーで参加しました。
初めての海外レースで、勝手が分からないので、最初はツアーの方が安心だと思いましたし、丹羽さんがツアーに参加されていることも大きかったです。

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関空から香港に飛び、バルセロナ行きの飛行機に乗り換え。ここで関東から来ているメンバーとも合流し、バルセロナへ。
バルセロナに着くと、久保さんが迎えてくれて、1日市内観光。念願のサグラダ・ファミリアもみれました。

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その後、軽く走りましょう、ということになって、グエル公園までジョギング。
ところがここで、足首が痛む。舗装路を走ったこともあるんでしょうけど、たった数キロ走っただけで、随分痛み、結局帰りはタクシーでホテルに引き返すことに。
本番に向けて不安が募ります。

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翌日、バスでアンドラへ。途中でモンセラットに寄りますが、もう、なるべく足を痛めないように、ということが頭にあって、恐る恐る歩いていました。

2日ほど観光したので、同じツアーのメンバーとも仲良しに。皆さんアンドラのレースに参加される方々なので、目的は同じ。わざわざ山が険しいアンドラのレースを選ぶ、という時点で、何かしら同じ趣向を持っているわけで、面白い方が多くて楽しいです。ツアー旅行なんて参加したことなかったですけど、こういうのは良いなと思いました。

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アンドラについてみると、街が大会一色になっています。スタート・ゴール地点は大会一色になっていて、まわりには山が好きそうな人がうじゃうじゃ。音楽が鳴り響き、すごい歓迎ムードです。

街をあげて歓迎してもらえる、というだけで、うれしくなります。やばい、楽しい。どんどんテンションが上がっていきました。

受付を済ませて、宿舎で一泊。
翌朝一番に、170kmのRondaがスタート。丹羽さんや、片岡さんがスタートしていきます。
雰囲気が、もう、最高です。太鼓と音楽の演奏があるわ、花火は上がるわ、どでかい人形(?)が出てくるわ。
見ているだけで、興奮してきました。

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朝7時にRondaがスタート。

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ここから15時間後の22時(夜の10時ですよ!)に、僕が出場するMíticがスタート予定です。
そこから二晩夜通しで走ることになるので、とにかくこの日は部屋で寝ようと思いました。
Rondaを見送ったあと、朝ごはんを食べて、自分の部屋へ。
レースの用意を整えて、ベッドにもぐりこみ、寝ようとしますが、なかなか眠れません。
眠っているような、起きているような感じで、ごろごろしていましたが、昼過ぎにどうにもこうにも眠っていられなくなり、再び装備の準備。

ウェアの組み合わせをいろいろ考えているうちに、今回の参加賞のウェアがなかなか具合が良いことに気づき、その格好で出場することにしました。ただし、パンツの色が合わない。紺色のパンツを持ってきていたのですが、参加賞シャツは黒赤だったので、近くのアウトドアショップに黒いパンツを買いに行ったりとか、そんなことをやっているうちに、夕方に。

今回は、ドロップバックを預けるのもはじめて。44km地点と、77km地点に送ってもらう荷物を準備するのですが、こちらも勝手がよく分からないので、ジェルや着替え、予備の充電池と、ものすごく寒くなった場合のために温かい長袖長ズボンを詰め込んで預けました。

夕食をホテルでツアーメンバーと取ると、あとはもう、スタートを待つだけ。さすがにみなさん、緊張感が出てきています。
夜9時過ぎ、スタート地点にMíticに出場する選手が少しずつ集まってきました。僕も早めにスタートエリアに入って、座って待ちます。
同じくMíticに出場する宮崎さんや石黒さんと記念撮影。

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太鼓の演奏が始まって、でかい人形が出てきて、花火が上がって、いよいよMíticもスタート。
ここから、112kmの長い長い旅が始まりました。

(つづく)

滋賀県一周トレイルに挑戦!その8(完結編)

鈴鹿山脈北部(2017.6.2)

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滋賀県一周トレイルも残すところ鈴鹿山脈のみ。距離は約60km。
頑張れば一気に行けなくもない距離です。ただし、霊仙山から御池岳の間には、道がない区間もあり、鈴鹿山脈は1000mを越える峰が何度もつながるなかなかハードなコース。さすがに朝から夕方までの明るい時間だけで行くのは難しそうです。

そこで最後は、夜10時からスタートして、翌日の明るい時間にゴールを目指すことに。
ちょうど翌月にアンドラでAndorra Ultra TrailのMiticに出場するのですが、このレースのスタート時間が夜10時。その予行練習も兼ねて、10時からスタートすることにしました。

問題はパートナー。さすがに一人で夜通し歩くのは気がひけるので、誰かと一緒に行けたら良いのですが、こんなおかしな活動に付き合ってくれる人なんかいるのか。

と、思っていたら、同じく滋賀県一周を目指している西さんが名乗りを上げてくれました。しかも、翌日予定があるのに、夜のパートだけ付き合ってくれるとのこと。ありがたすぎます。

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ということで、2人で金曜日は仕事をして、そのまま移動して滋賀県柏原駅に集合し、鈴鹿山脈へスタート!

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登山口は真っ暗です。熊注意って書いてます。

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夜道を進みます。腰のライトがなかなか良い具合です。

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大垣方面の夜景が見えました。

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途中の写真は全然ありませんが、2時間半ほどで霊仙山に登頂。
風が強く、寒い!止まると凍えてしまいそうなので、小屋で少し休んだだけで、すぐ引き返します。
このあたり、晴れたらカルストの美しい展望が広がるんですが、辺りはガスで、道がかなりわかりにくかったです。

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霊仙山山頂から少し引き返し、県境稜線を南下します。ここからが、地図上に道がない区間(赤の矢印)。
さて、どんな道が待っているのか。

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進んでみると、明確な道はないものの、たまにテープもあり、ヤブ漕ぎというほどのヤブもなく歩きやすい稜線。
これなら登山道と変わらないスピードで進めそうです。

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夜の区間は、ほとんど写真が無いですが、細かいアップダウンを何度も繰り返しているうちに、空が明るくなってきました。

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朝が来たよー!

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まだまだ、小さいアップダウンが続きます。登りが毎度、なかなか急登で苦労します。(一体何度登ったかw)
このあたりが、特に展望もなく、何度もきつい登りを繰り返して一番きつかった気がします。

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ようやく三国岳に到着!
ここまで来ると、道がかなりはっきりしてきました。
三国岳は2つピークがあって、両方看板がおいてありましたが、どちらかというと南ピークのほうが標高が高くてメインのようでした。

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しばらく進むと、北に鈴北岳が見えてきます(雲の中ですが)。
あそこまでいくどー。

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養老山脈方面を見下ろしつつ、鞍掛峠に到着。
時間的には、少し予定より遅れていましたが、西さんは鈴北岳まで行って、そこで滋賀県側に下ることになりました。

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展望の開けた道を登って行くと、鈴北岳に到着!
ガスで景色は見えないですが、とりあえず難関区間クリアです。おつかれさま!

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ここで西さんとはお別れ。西さんは多賀大社まで走るそうです。(それもすごいです)
西さんありがとう!おかげで、夜の区間、眠くもならず、心細くもならず、走り通せました。
西さんもぜひ、一周完結させてくださいね。

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ここから先の御池岳山頂近辺は、カルスト地形の広がる独特の台地。
幻想的な霧の中を進みます。

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しばらく行くと、霧が晴れてきました。
ドリーネ、ウバーレ、カレンフェルト、とか、習いましたよね。カルスト地形。
この、小さい池みたいにくぼんでいるのはなんだっけな。ドリーネ?

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御池岳付近、雰囲気のある森が広がります。
山頂の眺望はありませんが、高度感はたっぷり。厳しい自然を感じます。

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苔の生した味のある道を、天ケ平まで下り、白船峠経由で藤原岳方面へ進みます。

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気持ちのよい風が吹き、爽快。
御池岳と藤原岳の間のこの区間は、鈴鹿セブンマウンテンから外れていますが、これだけ気持ちのよい道はぜひ仲間に入れたほうが良い気がします。御池岳も入れて、エイトマウンテンにすべきですねw。

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藤原岳が近づくと、再びカルストっぽい草原に。登山客も増えてきました。

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藤原山荘を越え、しばらく登ると藤原岳山頂。
天気もよく、たくさんの方がお昼ごはんを食べていました。

ただ、ここから南下して稜線を進む人は誰もおらず。再び一人で治田峠方面に降りていきます。

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このあたり、以前はほとんど道がなかった印象があるのですが、今はしっかり踏み跡もあって、途中に看板も立っており、ほとんど通常ルートと言っても良いくらいの道になっていました。

鈴鹿セブンマウンテンを歩く人が増えているんでしょうか。

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治田峠を越えて、銚子岳、静ヶ岳の分岐を越えていきます。
振り返ると、さきほど越えてきた藤原岳が向こう側に。セメント工場で削り取られた山肌が、おでこみたいになってます。

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宇賀渓から登ってくる遠足尾根と合流すると、竜ヶ岳山頂手前の絶景区間に。
鈴鹿山脈の中でも、特に人気の高い区間です。

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いやあー、気持ちがいい。

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ここまで歩いてきた山々もくっきり。
御池岳、藤原岳、治田峠、銚子岳、静ヶ岳と連なっています。
御池岳と藤原岳は、こうして見ると近く見えますね。

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笹の原を登って行くと、竜ヶ岳頂上に到着。

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頂上からは、三重県と伊勢湾が見下ろせました。実家ももうすぐです。

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南方向には、鈴鹿山脈のこの先の山々が。この後通る釈迦ヶ岳の向こうに、御在所岳や雨乞岳が見えます。

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滋賀県側を臨むと、琵琶湖の向こうに、比叡山や比良山、そして高島の山々まで。
今回の、滋賀県一周トレイルの旅で通ってきた山々が、一番たくさん見渡せました。
最後を飾るにふさわしい眺望です。
残すは釈迦ヶ岳、あと一座。

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石榑峠に、両親にサポートに来てもらい、補給。
今日はじめての水分補給です。助かりました。
べちゃくちゃしゃべっているうちに、1時間近くのんびりしてしまい、そろそろ行くかと釈迦ヶ岳に向けて出発。

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石榑峠から釈迦ヶ岳に至る稜線。下界から見上げていると、なだらかに見えるので、それほど険しい道ではないと思っていたのですが、思いの外激しめ。小さいけど急坂のアップダウンが続きます。

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三池岳、八風峠、中峠を越えて、じわじわ上っていきます。
竜ヶ岳のように眺望があると、テンションも上がって眠気は感じなかったのですが、ここに来て地味な釈迦ヶ岳の道が、眠かった。
なかなかつかないなあ、と思いながら上っていき、ようやく釈迦ヶ岳に到着!

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ハト峰まで進み、朝明渓谷に下りました。
本当は、国見岳まで登れば、稜線上で一周をつなぐことができたのですが、もう一度登り返す気になりませんでした。
ログを見ると、ここだけ鈴鹿山脈の稜線から外れていますが、そこはご愛嬌w。

朝明ヒュッテの入り口で、南回りで回ってきた道と合流。滋賀県一周トレイルが、ここで完結です!
そこで、登山客の方にお願いして写真を撮ってもらい、少し話していたら、近くにいた管理人さんが近寄って来ました。
話してみると、なんと父の同級生とのこと。さらに話をしていると、今は高校の山岳競技の東海大会の準備中とのことで、高校時代の恩師、萩先生ももうすぐ来られるとのこと。
(僕は高校時代、三重県の高校でワンダーフォーゲル部に属し、山岳競技に出ていました)

しばらく待つと、萩先生も山から降りてきて再会。なんと、20年ぶりくらいの再会です。
旅の終わりに驚きの出会いでした。
萩先生たちに山の楽しみを教わり、こうやって今も、山を走っているんですよ、と伝えられたのがうれしかったです。

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ここから家まで、10kmほどロードを走って、実家に到着。
北回りの実家への帰省も完結しました。
いやあ、長かった。

この日の行程は、距離68.6km、累積4626m。
20時間ほど走り続けて、夕方6時ころに到着しました。

前日10時に出発して、かなり時間には余裕をみていたのですが、最後はいろいろあって結局日没間近になりました。
故郷と懐しい出会いを味わいながらのゴール、感慨深かったです。


滋賀県一周トレイルを走り終えてみて

以上が、僕が滋賀県を、トレイルで一周した記録です。

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全長475km。累積標高25,899m。全部で11日間かかりました。

最初に構想してから2年。2015年11月に南回りで三重県まで走った後、ずっと塩漬けになっていましたが、2017年5月から6月にかけて、一気に北側を回り、踏破することができました。

コースは、現状ではほぼ理想的なコースを辿れたと思いますが、強いて心残りな部分を上げれば、余呉・奥伊吹エリアです。道が荒れていたり、道がない区間が多く、なかなか県境稜線を辿ることができませんでしたが、残雪期にスノーシューなどを使えば、より完全に近い一周コースを辿れるかも知れません。(または、これからトレイルが整備されることもあるかも知れませんね。)

新しい道を踏破して思うのは、「行けば行ける」ということです。長い道のりを思うと、「本当に行けるんだろうか」という不安を感じます。実際に出発前には、どんな道が待っているのだろう、自分の体は持つんだろうか、と不安でした。
しかし、1日1日、山道を30−40kmを走るのは、それぞれそれほど難しいことではありません。特定の1日を取り出して、「ここはどうしても無理だった」というような道は特にありませんでした。(厳しいヤブ漕ぎは多少ありましたが笑)

だから、実際に走ってみると、何か特別なことをやり遂げた、という気はあまりしません。
ただ、どちらかというと、走り始めること、走り続けることが難しいのかな、と思います。体力面や、精神面もあると思いますが、連続で休みを取ったり、サポートをしてもらう人を見つけたり、一緒に行ってくれる人を見つける方が難しいという気がしました。

そういう意味では、これって起業にも似ているかも、と思いました。会社作るのも、最初が勢いが要りますけど、いざ走り始めてしまったら、あとはもう、進むしか無い、みたいなところがあります。

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1周してみて、一番嬉しかったのは、地図を見て、自分が走った道のりが、滋賀県をぐるっと一周つながったことです。
Stravaのヒートマップも、きれいに琵琶湖の回りがつながりました。うれしいですよね?

それがどうしたんだ、と言われたら、もうどうしようもありません笑。地図の上の線をつなげることに何の意味があるのか、と問われたら、「つなげてみたかったから」としか言いようがないですw。

でも、ぐるっと一周、って、なにか良いですよね。一周つながるんです。ぐるっと。回ってまた戻ってくるんです。楽しいですよね。

滋賀県をぐるっとつなげたら面白そうだな」。

そんな素朴な楽しみを思いついた人間の、11日に及ぶ遊びの記録でした。
長い文章にお付き合い頂き、ありがとうございました。

もしも、一周に挑戦される方がいらっしゃったら、ぜひコメント欄などでご連絡頂けたらうれしいです。
「一周って楽しいですよね!」って、語り合いましょう。

ありがとうございました。

(完)